開票日カウントダウン

選挙ページへ

2023-10-19 政治・国際

「中国が得るものはほぼ無い」との懸念も プーチン氏と連帯強化した習氏の大バクチ 

© REUTERS「一帯一路」国際会議で習近平国家主席(右)に迎えられるプーチン露大統領=2023年10月17日

注目ポイント

中国の習近平国家主席は18日、北京で開催された「一帯一路」の国際会議に出席したプーチン露大統領と会談し、連携を強化する考えで一致。台湾についても、プーチン氏は「中国の不可分の領土」として習氏の主張を支持した。世界から孤立したプーチン氏と手を結んだ習氏の〝ギャンブル〟は果たして成功するのか。米ブルームバーグが検証した。

習近平国家主席は18日、会談の冒頭でプーチン大統領を「古い友人」と呼び、中国の経済圏構想「一帯一路」へのロシアの支持を評価した。また、両国の関係について「政治的な信頼が深まり、戦略的な協力も密接で有効だ」と指摘した。

実際、ウクライナ侵攻から20か月が経過し、ロシアにとって中国依存は経済のあらゆる面に及んでいる。西側諸国が貿易を断絶するなか、中国の対ロシア輸出は今年これまでに57%増加した。

ブルームバーグ・エコノミクスがまとめたデータによると、人民元は9月、ロシアの外国為替取引額のほぼ半分を占め、わずか0.4%だった2022年1月から激増した。中国は現在、ロシアからの化石燃料の最大輸入国となり、石炭出荷量は20年以来2倍増を超えている。

17日に北京で開幕した「一帯一路」構想10周年記念フォーラムへのプーチン氏の出席は、国際刑事裁判所が3月にウクライナでの戦争犯罪容疑で同氏に逮捕状を発行して以来、旧ソ連諸国訪問を除けば初の外遊となった。

ブルームバーグは、「この訪中により、ロシアは中国からの経済支援を強固にし、新たに計画されている天然ガスパイプライン『シベリアの力2』に関する協定に署名するよう中国側に圧力をかけることが可能になる」と分析した。

習氏にとっては、米国を中心とする西側による世界秩序に替わるビジョンを構築する上で、信頼できる強力なパートナーとしてのロシアを求めている。それは、米国が支持を約束する台湾を、あくまで自国の一部と主張する中国の立場を強化するものでもあるという。その思惑通り、18日の会談でプーチン氏は習氏の主張を支持し、「台湾は中国の不可分の領土だ」と発言した。

中国にとってプーチン氏は重要な役割を担う。もし中国が台湾を侵略することになれば(その可能性はすぐには有り得ないが)、ロシアから食料と燃料の供給が確保でき、国連安全保障理事会でもロシアが中国側に立つことが期待されるとブルームバーグは解説。

だが、中国の専門家や学者の一部からは、自動車、テレビ、スマートフォンなど中国製家電の新市場として、また、格安価格で買い付けられる石油やガス以外、「ロシアとの2か国関係から得られるものはほとんどない」との声が出ており、習氏はプーチン氏との連携強化という大バクチに出てしまったではないかという懸念が生じている。

「プーチン氏は習氏にとって理想的なパートナーではない。彼はそれ以上のものを望んでいた」とワルシャワ東洋学センターのヤクブ・ヤコボウスキー副所長は指摘。「(ロシアによるウクライナ侵攻に)同調したくない中国のエリート層にとって、習政権内部では(ロシアとの関係が)重荷となってきている」と述べた。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい