注目ポイント
近年、台湾の街で時々、胸のところに平仮名と漢字で訳が分からない文字がプリントされているTシャツを見かけます。「りしれ供さ小」です。調べてみると台湾語の表記でした。日本人が読んでもこの偽日本語の意味がわからず、日本語を習ったことがない台湾人にとっては平仮名が読めないのでやっぱり意味がわかりません。今回はこのような偽日本語をいくつか紹介しましょう。
Tシャツのデザインに偽日本語
日本の小学校低学年の子供が時々間違う仮名があります。「シ」と「ツ」、「リ」と「ソ」と「ン」です。ナイツの漫才のネタに「ベソ・ジョソソソ(お笑いを解説するのは野暮ですが、これは「ベン・ジョンソン」のことです)」があるくらいよく似ています。日本語がけっこう通じると言われているここ台湾でも、CD、お菓子などのパッケージや看板、観光パンフなどでこの類の間違いをよく目にします。
「りしれ供さ小」
数年前に街で見かけたTシャツにも解読不能な日本語がプリントされていました。てっきり何かの単純な間違いかと思っていたのですが、実はこれは仮名で書かれた台湾語だったのです。漢字の部分は中国語(北京語、普通話、国語、中文、漢語、華語とも言います)の発音で、平仮名の部分と漢字の部分を一気に読むと台湾語になるというからくりです。「りしれ供さ小」は「リシレゴンサシャオ」と発音し、「おまえ、なに言ってんの」という意味です。ケンカ腰の表現です。Tシャツの胸にプリントされているこの偽日本語表記の台湾語を見ると、思わず笑ってしまいそうです。
これ以外にも面白いTシャツがありますから、いくつか紹介しましょう。
・「免っかわ来じっ套」
これは「メンッカワライジット」と読み、意味は「その手は食わないぞ/うそつけ!」に近いです。
・「ばど妖ら」
「バドヤオラ」と発音し、「腹へった」という意味です。
・「安ね美さい」
読み方は「アンネモエサイ」、意味は「それでいいよ」。
・「りがわ惦惦」
これは「リガワティアンティアン」と読み、意味は「静かにしろ/黙れ」です。
・「あ捏む湯」
「アネムタン」と読みます。意味は「だめよ、だめだめ(古っ)」。
これらのTシャツメッセージは、種明かしを知らなければ、日本人も台湾人もなに人も読めませんし、当然意味もわかりません。
Tシャツにプリントされているかどうかわかりませんが、これ以外にも台湾ネット民の間で流行っているフレーズがたくさんあります。「但じれ(タンジレ、ちょっと待って)」とか、「りじゃ賽(リジャサイ)(くそくらえ)」とか、「りそん丟ほ(リソンティオホ)(お前がそれでいいならいいよ)」など、どちらかというとあまり上品ではない言い方やキレた時のフレーズが多いです(筆者が偏った選択をしたせいかも)。
いつか台湾でこのTシャツに出会ったら、声に出して読んでみてください。そしてもし意味がわかったらあなたはもう立派な台湾通です。