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2023-10-17 経済

台湾の半導体産業巡る環境「20、30年後には変わっている」 TSMC創業の張氏

注目ポイント

半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(ちょうちゅうぼう)氏は14日、北部・新竹県で開催されたTSMCの運動会で報道陣の取材を受け、20、30年後の台湾の半導体産業を取り巻く環境は現在のような状況ではなくなる可能性があるとの見方を示した。

TSMCの運動会に招かれた張忠謀氏(左から2人目)

(新竹中央社)半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(ちょうちゅうぼう)氏は14日、北部・新竹県で開催されたTSMCの運動会で報道陣の取材を受け、20、30年後の台湾の半導体産業を取り巻く環境は現在のような状況ではなくなる可能性があるとの見方を示した。

張氏は、かつて九州を訪問した際、土地や工業用水、電力に余裕があるように感じたとし、シンガポールも工場運営に適した場所だと指摘した。一方で台湾の半導体産業の優位性の一つは24時間設備が稼働していることで、午前0時に故障が発生しても、エンジニアが迅速に対応すると強調。だが、20~30年後にはどこかの国が頭角を現してくるとし、現状が変わる可能性を示唆した。

また運動会でのあいさつでは、半導体はグローバル化も自由貿易もすでに終わったと語り、最も重要なのは国家の安全保障だとした上で、TSMCは皆が必要とする企業になったと主張。今後は他企業が地政学的なトレンドを利用してTSMCに攻勢をかけ、今後数年間に直面する挑戦はこれまでより厳しいものになるとしながらも、TSMCは挑戦を克服できると語った。

(張建中/編集:齊藤啓介)

 

 

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