注目ポイント
去年の京都橘高校に続いて今年も日本から高校吹奏楽部が国慶節に招待された。東京農業大学第二高校はエメラルド色のユニフォームと黒のカウボーイハットでアニソンメドレーを演奏、素晴らしいパフォーマンスを披露した。大型打楽器を台北市立建国高校から借りたことで交流が深まった。UCLAマーチングバンドも7年ぶりに招待された。
中華民国112歳の誕生日
武昌で孫文が辛亥革命を起こしたのは1911年10月10日である。だからこの日は中華民国にとっての誕生日となる。国慶節は10が二つ続くことから双十節とも呼ばれる。
海外の親善使節団や大使、外交官、軍人、華僑などが参加した国慶節の式典が、今年も総統府前広場で盛大に行われた。

© REUTERS
游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長に相当)の開会の辞で幕を開けた今年の國慶節式典に、日本からは史上最多人数となる日華議員懇談会43名と東京農業大学第二高校が参加した。
開会のあいさつの中で游錫堃立法院長は、2021年12月に安倍晋三元首相の「台湾有事は日本有事」に言及した。
今年の国慶節はとても涼しく、まさに秋の訪れを感じさせる日であったが、以前の国慶節は、10月といえども半そででも汗ばむくらいの熱さで、筆者が式典に参加した1987年の国慶節式典では総統府広場に設けられた臨時救護所は熱中症で倒れた参加者であふれていた。
大根踊りを封印しエメラルドナイツが国慶式典で圧巻の演奏を披露
東京農業大学は、榎本武揚が創設した徳川育英会育英黌農業科を前身とし、1962年にその付属校として東京農業大学第二高校(農大二校)が群馬県高崎市に設立された。農大二校は過去に何回か出場したことがある甲子園の野球大会で応援団が大根を両手に持って踊りながら応援する「大根踊り(正式名称:青山ほとり)」が有名で、テレビで目にしたことがある人も多いのではないかと思う。


今回招待されたのはこの高校の吹奏楽部、通称エメラルドナイツで、全日本マーチングコンテストには第一回大会から出場し、去年までに3年連続で金賞を受賞している。
東京農業大学第二高校がマーチングを披露した(公視新聞網YouTubeチャンネルより)
アニソンで双十節を祝う
国慶節式典は、台北市立建国高校吹奏楽部(女子高から何人かの助っ人を含む)のパレードとフィールドドリルで始まった「序幕パフォーマンス9:00~10:00」に続く「大会セレモニー10:00~11:00」「テーマパフォーマンス11:00~12:00」の3部から成り、エメラルドナイツは、「無限の夢」というテーマで、テーマパフォーマンスの二番手として出場した。去年参加した京都の橘高校はユニフォームの色から「オレンジの悪魔」と呼ばれ、激しいパフォーマンスと絶やさぬ笑顔で台湾を魅了したが、エメラルドナイツはその名の通り、グリーンと黒を基調とした大人っぽい雰囲気に黒のおしゃれなカウボーイハットをかぶって統制の取れた見事な動きで約10分間、圧巻のパフォーマンスをみせ、蔡英文総統、頼清徳副総統、游錫堃立法院長はスタンディングオベーションで彼らのパフォーマンスを讃えた。演奏曲はワンピース「ウィーアー!」、「めざせ!ポケモンマスター」、スラムダンク「君が好きだと叫びたい」、ちびまる子ちゃん「おどるポンポコリン」、「スーパーマリオブラザーズ」などアニソンを中心とした構成であった。