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2023-10-11 政治・国際

中国で「習近平文化思想」が新たに登場 経済、外交などに次ぐ国家教義6番目の柱に

© AFP via Getty Images

注目ポイント

中国共産党は先週末、習近平国家主席の文化に対する思想を人民に徹底するため、党宣伝部や国営メディアの上級幹部を出席させて全国会議を開催。「中華民族の偉大な復興」などを柱とする、新たな「習近平文化思想」を発表し、報道などの分野でも徹底する方針を確認した。言論への締め付けがさらに強化されそうだ。

習近平国家主席が2017年に打ち出した「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」(習社会主義思想)の一環として、宣伝・思想・文化に関する全国会議が先週末、北京で開かれた。その中で「習近平文化思想」という新たな言葉が登場した。

これは「中華民族の偉大な復興」などを柱とする教義で、習氏は声明文で、「宣伝・思想・文化が党の将来や国の安定、民族の団結にあたり極めて重要な任務であることがさらに明確になった」として、中国共産党の宣伝活動をさらに強化すべきだと指示した。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは中国ウォッチャーの見解として、今回の「習近平文化思想」の教義内容が、「習社会主義思想」の中で最も重要なものになる可能性があると指摘した。党の宣伝活動やニュース報道、世論のあり方を含む文化に対する習氏の考えは、経済、外交、軍事、環境、法務と並んで国家教義を6番目の柱として形成しているとされる。

会議は、7人からなる政治局常務委員会のメンバーで、党中央書記処常務書紀の蔡奇(さい・き)氏が議長を務め、中国の最も重要な宣伝担当者ら数百人が出席した。国営新華社通信によると、この会議では「前向きな宣伝」へのテコ入れや、「世論の誘導」の能力強化、国際的な中国文化の影響力のより効果的な推進が求められたという。

蔡氏は会議で、プロパガンダやイデオロギー、文化が「党全体を武装させ、党の革新的な理論で人民を教育するという重要な政治任務」に焦点を当てるよう求める習氏の声明文を会議で読み上げた。さらに、通信分野や文化活動における党の指導力強化の必要性を強調した。

声明文はまた、「強い団結力とリーダーシップを備えた社会主義イデオロギーの構築に焦点を当て、社会主義の中核的価値観の育成に焦点を当て、ニュースと世論の普及、指導、影響力、信頼性の向上に焦点を当てる」よう出席者に指示。「国の文化的ソフトパワーと中国文化の魅力を継続的に高める」ため、中国の国際コミュニケーション能力の発展を強化するとともに、文明間の交流と相互学習を促進するよう求めた。

「習社会主義思想」をめぐる主な教義は2021年8月に発表された。ロイター通信によると、同国の教育省は若者の間に「マルクス主義の信念」を確立するため、「習社会主義思想」を国家の教育課程に取り入れる方針を示し、「小学校から大学までの教育課程に組み込む指針を発表。同月の新学期から、「習社会主義思想」の履修が小学校から大学までの必修教育課程として義務付けられた。

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