注目ポイント
アンドリュー・ン(呉恩達)氏はこのほど財団法人永齢基金会が主催するフォーラムで、AIが将来社会のインフラとなるためにどのように活用できるかについて講演を行なった。
米国のスタンフォード大学コンピューターサイエンス学部の教授であるアンドリュー・ン(呉恩達)氏は、AI研究のパイオニアであり、AI Fundのパートナー、EラーニングサービスのDeepLearning.AIとLanding AIの創設者でもある。同氏はこのほど財団法人永齢基金会が主催するフォーラムで、AIが将来社会のインフラとなるためにどのように活用できるかについて講演を行なった。またアンドリュー・ン氏とともに今年のタイム誌の「人工知能の分野で最も影響力のある人物トップ100」の一人に選ばれた台湾のデジタル担当相を務めるオードリー・タン氏とも対談した。 アンドリュー・ン氏は台湾訪問の際に独占インタビューに応じ、彼の目から見たAIの今後の発展傾向と台湾の人工知能発展の可能性について語った。
Q:最近はAIのどの分野に注力していますか。数日前にビジュアルAIについて語ったインタビューを拝見しましたが、ビジュアルAIに力を入れているのでしょうか。
A:実はビジュアルAIだけではなくて、最近ではAIファンドというAIテクノロジーへの投資に重点を置くベンチャーキャピタル機関にも多くの労力を費やしていますし、Landing AIというAI企業の経営にも力を入れています。Landing AIは、ビジュアルAIやビジュアル技術だけにフォーカスしているわけではなく、教師あり学習やテキスト生成など、様々なAI技術を多用しています。
AIは単なるツールではないと思っています。この技術革新の波の中で、ビジュアルAIが非常に重要な役割を果たしていることはご存じでしょう。たとえば、OpenAIですが、昨日、ChatGPTに画像理解機能が追加されたと発表しましたし、他にも多くの開発チームがビジュアルAIでブレークスルーを起こしていて非常に刺激的です。
Q:ジェネレーティブ(生成)AIがAIに対する一般の人々の間にブームを巻き起こしていますが、一方、教師あり学習AIがAIの主流であり続けるだろうともおっしゃっています。それはなぜでしょうか。
A:私は、今後数年間の生成AIの発展に非常に自信を持っています。大変素晴らしいことだと思っていて、生成AIについて楽観していないということはありません。私は自分のチームと共に10年以上前から教師あり学習AIに取り組んでおり、今日までこの分野で数百万人もの開発者が働いていることをこの目で見てきました。