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2023-10-10 政治・国際

蔡総統、現状維持を訴え「平和を確保する極めて重要な鍵」=国慶日演説/台湾

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中華民国の国家の日「国慶日」の10日、祝賀式典が台北市の総統府前で開かれた。

国慶日の演説で現状維持を訴える蔡英文総統

(台北中央社)中華民国の国家の日「国慶日」の10日、祝賀式典が台北市の総統府前で開かれた。蔡英文(さいえいぶん)総統は演説で、「平和は両岸(台湾と中国)にとって唯一の選択肢であり、現状維持を各方面の最大公約数とすることが平和を確保する上で極めて重要な鍵となる」と強調した。

来年5月20日に任期満了を迎える蔡総統にとって、今回は総統として最後の国慶日となる。演説は「自信ある深沈たる態度で国家を前に進める 世界は台湾によってより良くなる」と題して行われた。

蔡総統は、台湾海峡の平和と安定は国際社会の安全と繁栄において欠かせない要素であると全世界がすでに認識していると言及。「一方的な現状変更は許されず、両岸の対立は平和的な方式で解決されなければならない」とし、平和で安定した両岸関係の構築に向けて努力し続けていく必要性を訴えた。

また、台湾内部が与野党を問わず、対外的に団結することを願う考えを示し、「台湾の民意の共通認識を基礎とし、対等と尊厳を前提とし、民主主義的対話を過程とし、現状維持を核心として、北京当局と共に双方が受け入れ可能な交流の基礎と平和的共存の道を構築していくことを望む」と述べた。

蔡総統は最後に、自身に2期8年の中華民国総統就任の機会を与えた台湾の人々に感謝を述べた上で、「国家はこれからも前進し続けなければならない」と強調。「われわれは世界により素晴らしい台湾を示すだけでなく、民主主義の台湾によって世界をより良いものにしなければならない」と国民を鼓舞した。

(葉素萍/編集:名切千絵)

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