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2023-10-07 政治・国際

屏東のゴルフボール製造工場で火災 10人が死亡 消火活動中に爆発 

© 中央通信社

注目ポイント

負傷により入院中の陳文川消防隊小隊長が意識を回復した。消防隊は工場が提出した「製品安全データシート」により消火に乾燥粉末を使用する必要性を確認して工場内に突入したが、すでに火と煙が充満していた。指揮官が即時撤退を命じたが、退却中に爆発が起こり、大惨事となった。

台湾南部、屏東県の屏東科学技術産業区にある明陽国際科技有限公司のゴルフボール工場で火災が発生し、10人が死亡、100人以上が負傷した。

消火活動中に負傷した消防隊の陳文川第2小隊長によると、消火には乾燥粉末が必要であることを確認してから工場内に入ったが、撤退中に大爆発が起きた。台湾行政院では工場の防災情報について、再度の調査と整合を行う必要があるとの声が出ている。

 

負傷した小隊長が意識を回復し証言:退却中に大爆発が起きた

 台湾「自由時報」は、この工場に長年勤務する国立台湾大学化学博士の許氏の分析を掲載した。許氏によると、高級ゴルフボールの製造には大量のチタン、タングステン、マグネシウムが必要であり、この環境下で水分が存在すると、物質と接触することによって気化し、密閉された工場内では日本の福島原発事故と同様の「水素爆発」が起こる可能性があるという。また、一般的に工場の敷地内に保管できる化学物質の量は「その日に使用する量」だが、同工場に保管されていたブタジエン(不飽和炭化水素の一種)と過酸化物は発火する可能性は高いものの、瞬時に爆発する可能性は低く、工場敷地内の倉庫に基準外の金属粉が保管されていた可能性について、捜査が進められている。

 

超党派議員: 災害救援情報の統合と即事運用を求める

頼香玲立法議員は、化学災害救援関連の資料について、現在の法律下で消防隊が入手できるのは平面図、化学物質の種類と在庫量、安全資料の3点のみで、機械設備図や配管計装図は入手できないと問題を提起した。

洪申翰立法委員も自身のフェイスブックで問題を提起した。第1に工場の管理責任者は、台湾消防法第21条第1項に基づき、工場内の化学物質の種類、数量、平面図、救援に必要な情報を提供し、現場に専門のスタッフを配置したかどうか、第2に工場現場の化学原料が環境省化学局の部門間化学物質情報プラットフォームに完全かつ正確に登録されているかどうか。 第3に、上記のデータベースは、現場の指揮官や消防士がリスクを特定し防御するために必要な情報や資料を即事に提供しているかどうかである。

洪申翰立法委員は、災害現場では必然的に情報が複雑になるため、これらの情報フローを連結するには管轄当局によるさらなる確認と実施が必要であり、災害と消防士のリスクを軽減するために、常に見直しを行い、これ以上「出来るのにやらない」ことがないようにすべきだと主張した。

 

訳:椙田雅美

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