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台湾の対日窓口機関、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)が主催する、辛亥革命由来の「双十節」祝賀レセプションが5日、都内のホテルで開催された。閉会時には出席者への引き出物として北海道産ホタテの詰め合わせが配布され、福島第一原発の処理水放出に反発する中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止するなか、台湾が日本を支援する強い意向を無言で示したものとして出席者らを感動させた。
10月10日は1911年の辛亥革命に由来する記念日「双十節」として、台湾は毎年この時期に内外で式典や祝賀会を開催しており、同代表処では「中華民国(台湾)112年国慶」を掲げ5日、与野党議員や経済界関係者など日ごろ日台交流に関わる来賓らを招き、都内のホテルで祝賀レセプションを開催した。

開会にあたり謝長廷代表(大使)は、「平和は国際社会の核心的利益」「台湾海峡の平和は世界全体の利益」と訴え、台湾が覇権主義に対峙する最前線に位置すると主張。
そのうえで「インド太平洋の責任ある一員として、国防や軍事を強化し、日本やアメリカなどの民主国家とともに台湾海峡の平和と安全を守り、世界の繁栄と発展に貢献してまいります」などとあいさつした。

また今年7月に訪台した安倍晋三元首相夫人、昭恵さんも登壇して祝辞を述べ、「台湾では台北、台南、高雄の行く先々で本当に多くの地元の方々に盛大に歓迎をしていただいた」「これからは夫の思い描いた日本と台湾の未来に少しでも近づくよう、私なりに力を尽くしたいと」などと語っていた。

閉幕後、出席者には祝賀会の引き出物として北海道産ホタテの干物(北勝水産)などの詰め合わせが配布され、受け取った出席者らは、「福島第1原発の処理水の放出を受けて中国が日本の水産物の輸入を禁じる中、台湾が日本の水産業を支援しようという強い思いを感じた」と感激。
ホタテを用意したことについて謝氏は日台が相互扶助に扶助する「善の循環」の具体的実践だとしている。
