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2023-10-03 政治・国際

米国は味方か?調査で「疑米論」半数以上が台湾発と判明 台湾社会の集団心理を反映

© 中央通信社

注目ポイント

ほとんどの疑米論は中国共産党(中共)から発信されているが、懐疑論の半数以上は台湾から発信されており、発信源はインフルエンサーやニュースメディア、有名政治家など多岐にわたる。台湾発の疑米論は、台湾社会の集団心理を反映している。

 近年、「疑米論」の発言がエスカレートしているが、台湾情報環境研究センター(IORG)は9月21日、2021年以降に観測された「疑米論」に合致する84の発言を分析した結果、「疑米論」の半数以上が中国発ではなく台湾発であったとする研究報告書を発表した。

 IORGは、2021年から2023年にかけて発生した12の重大な出来事を報告書にまとめたが、それには2021年のワクチン供給不足、台湾の4大住民投票、2022年のペロシ下院議長の訪台、ロシアのウクライナ侵攻、台湾積体電路製造(TSMC)の米国工場設立、2023年の蔡総統訪米、中国の台湾軍事演習が含まれている。これらの出来事に関連するメディアの報道やSNSから、疑わしい情報源を用いて米台関係の正常かつ健全な議論を阻害し、台湾人の信頼の基盤を損なおうとする「疑米論」に合致する発言が84件観察された。

IORGは、報告書の中で「疑米論」を「台湾は米国から離れるべき」「台湾と米国は距離を保つべき」とする非合理的または操作的な発言と定義し、そのほとんどが中国共産党の関与が示唆されるものだとする。さらに84件の米国懐疑論に関する発言のうち、中国共産党が拡散に関与したのは70件で、そのうち31件は捏造だと指摘。IORGの共同ディレクターを務める游知澔氏は、疑米論は8つのカテゴリーに分類でき、その主な目的は台米関係を阻害し、米国の対外イメージを傷つけることだと述べた。

一方、報告書は84の疑米論の半数以上は台湾発であり、その発信源はインフルエンサーやニュースメディア、有名コメンテーターなどであるとも指摘した。 

 

疑米論の半数は「メイド・イン・台湾」、専門家ら「米国への不信と信頼は台湾の『内的矛盾』」

国立政治大学国家発展研究所の黄兆年准教授は、中国は台湾社会の矛盾や対立を利用してニセ情報や陰謀論を操り、民主主義社会にもともとあった多元的な差異を反映させることができると指摘し、台湾における対米不信派と親米派の比率は約4対5であることからも「米国に対する不信感と信頼感は、台湾に内在する社会的矛盾」と見ている。黄氏はまた、政党アイデンティティの違いも対米姿勢に影響するとし、民進党に近い汎緑連盟は米国が台湾防衛のために軍隊を派遣してくれると信じているのに対し、国民党を支持するブルー陣営は米国を信じていない傾向があると話す。

 IORGは今年2月にも動画配信サービスに関する全国調査を実施し、台湾社会は概して親米的(63.7%が米国寄り、13.9%が中国寄り)であるが、動画配信サービスの利用が国民の米国と中国に対する好感度に影響を与えていることを明らかにした。例えば、YouTubeの利用は政党の二極化を拡大し、汎緑連盟派は米国寄りに、ブルー陣営派は中国寄りになる。TikTokの利用によって、中立的な人々やブルー陣営の人々は更に中国寄りになると思われる。

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