注目ポイント
9月16日(土)と17日(日)の2日間、東京・上野公園で開催された「TAIWAN PLUS 2023」。国内最大規模の台湾カルチャーイベントは例年、多くの文創ブランドが出店するマーケットをはじめ、台湾の豪華アーティストによる音楽ライブも大きな目玉になっています。台湾音楽を愛して止まないラジオDJ・竹内将子さんが現地の模様をレポートしてくれました。
台湾の多様な音楽文化で幕を開けた初日のステージ

初日の土曜日午前中には、 非公開ながら開幕式が行われ、MUSIC STAGEでは約4年ぶりの来日となった宇宙人(Cosmos People)が日本語の新曲「君はいつでも」を披露。アミ族の伝統歌謡をベースにした打楽器バンド・AMIS旮亙樂團も、そこにいるすべての人の心に響く演奏をしてくれました。

© Taiwan Plus 2023

© Taiwan Plus 2023
開幕式も終わり、初日のステージのトップバッターで登場したのは、4人組のロックバンド・旺福(ワンフー)。1998年結成という長いキャリアを持つ彼らは日本のファンも多く、日台のたくさんの観客に温かく迎えられながらのスタート!
楽しい演奏と歌、そしてトークもユニークで、初めて旺福に出会った人も、言葉が全くわからなくても没問題! 日常のあれこれを吹き飛ばし、多くの人をハッピーな気持ちにさせてくれる旺福の魅力があふれていました。

© Taiwan Plus 2023
2組目に登場したのは、高雄生まれのシンガーソングライター・aDAN 薛詒丹(シェ・イーダン)。旺福とはガラッと雰囲気が変わり、R&B、ジャズ、ポップスなど、様々なジャンルをミックスした楽曲と、クールで都会的だけど、どこか温かみのある歌声で観客を引き込みます。
10歳から独学で学んでいたという彼女の日本語はとても美しく、「暑さ寒さも彼岸まで、と言うけれど……でも暑いね!」という日本語のMCで観客を驚かせました。私も大好きな「Summer café」、そして台湾語で「望春風」も披露し、陽射しが強く残暑が厳しい会場に爽やかな秋の風を届けてくれました。

© Taiwan Plus 2023
3組目は、こちらも高雄出身の拍謝少年 Sorry Youth。台湾語で歌い、喜怒哀楽を前面に押し出していく3人組のオルタナティブロックバンドです。
彼らの魅力は、とにかくライブがカッコ良くて、一度観たら頭から離れなくなるほどの中毒性があること! この日もバンドのトレードマークである虱目魚(サバヒー)がデザインされたタオルやTシャツを着たファンを多く見かけたし、台湾から駆けつけたファンもいたそう。彼らの音楽が気になったら、ぜひ「暗流」から聞いてみてほしい。

© Taiwan Plus 2023

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初日のトリを飾ったのは許富凱(シュー・フーカイ)。 客席の最前列には名前の入ったお揃いのTシャツを着た台湾人ファンが詰めかけ、その熱烈な応援には圧倒されました!
ある歌では亡くなった父親を想って「ありがとう、お父さん」と涙する場面もあり、時に日本語のトークを交えながら、山口百恵の「さよならの向こう側」やテレサテンの歌もカバー。曲が終わるごとに頭の上にハートマークを作って、その度に「かわいい〜!」と声援が飛び交っていました。