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中国・杭州で連日熱戦が繰り広げられているアジア大会。テコンドー混合団体決勝では先週、複数の韓国選手が対戦相手の中国選手を挑発し、暴力を振るったとしてソーシャルメディアで炎上した。テニスや柔道でも韓国選手のスポーツマンシップの欠如が問題化。韓国のスポーツニュースも、「いくら実力があったとしても、人間性という点で成熟していなければ一流のアスリートとは言えない」と苦言を呈した。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは先週末、中国・杭州で開催中のアジア大会のテコンドー混合団体決勝で、中国チームが対戦相手の韓国チームから暴力的行為を受けたことに、中国のスポーツファンはソーシャルメディアで怒りを爆発させたと報じた。
9月25日のテコンドー混合団体決勝をめぐり、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には同28日、あるユーザーが「中国チームが対戦相手から3度挑発された」というメッセージと共に動画を投稿。その映像が捉えた韓国選手のスポーツマンシップを欠いた行動が中国人の怒りに火をつけ、韓国批判が一気に拡散した。
動画には、韓国選手が中国の対戦相手に接近し、挑発するような行動が映っていた。また、別の動画には、韓国選手が中国選手に近づいた際、胸元を軽く突き飛ばす様子も撮られていた。審判は状況を沈静化させようと2人の選手を制止し、興奮した韓国選手を押し戻すような場面もあった。
中国のスポーツファンは微博でフラストレーションを発散し、ある投稿者は「一体どうやったら彼らはそこまで攻撃的な態度をとれるんだ?」と憤った。別の投稿者は「韓国人は競争するために来たのか、それとも恥をかいて目立ちたいだけなのか」とつづり、「彼らはラケットを投げ、握手を拒否し、人にかみつき、相手を平手打ちにする」とも。
問題のテコンドー混合団体決勝は中国が84対77で勝利し、金メダルを獲得。テコンドーがお家芸の韓国は銀メダルに終わった。それと同じ日、テニス男子シングルスでは、韓国テニス界の看板選手クォン・スンウ(世界ランク112位)が格下のカシディット・サムレス(同636位=タイ)に敗れたことで激昂。怒りにまかせてラケットを地面に叩きつけて粉砕し、試合後の握手も拒否した。
この行動もテコンドーの韓国チーム同様に中国国内で大きく報じられることになった。
クォン選手はその後、「代表選手としてやってはいけない無謀なことをした」とインスタグラムで反省。「代表チームの試合を応援してくださった皆様、スタジアムの観衆の皆様に心よりお詫び申し上げます。試合後の行動を心から反省し、深く反省しております」と謝罪した。
また、その前日には柔道女子48キロ級準決勝で、韓国のイ・ヘギョン選手が対戦相手のアビバ・アブジャキノワ(カザフスタン)の顔に繰り返し張り手を浴びせ、「非スポーツマン行為による一本負け」となった。するとイ選手は自身の反則によって負けたにもかかわらず、抗議の座り込み。アブジャキノワ選手の握手にも応じず、憮然とした態度で畳に居座り続けた。