開票日カウントダウン

選挙ページへ

2023-09-30 政治・国際

台湾初の歯科専門システム開発dentallの陳CEO「ChatGPTがマーケットの教育に貢献してくれた」

© dentall提供

注目ポイント

dentallは7月上旬、音声システムに対応し、歯科診療の効率化が期待されるAI歯科アシスタントサービス「dentall.ai」を鳴り物入りで開始した。AIがトレンドとなっている中、dentall自身は技術的なボトルネックはあまりないと考えている。しかし、AIの運用については、「誰がAIにお金を払うのか」という共通の課題がある。急速に生成AIをサービスに統合している同社は、誰が最も痛みを感じているかを突き止め、着実にその答えに向かって進んでいる。

 

 「dentall」プロフィール

カテゴリー: 医療系システム開発 (歯学分野)

製品とサービス:歯科医院向け管理システム、医療材料調達システム、歯科医師向け生涯教育・研修プラットフォーム、生成AI歯科アシスタント「dentall.ai」

主な顧客:歯科医師、歯科医院、歯科材料メーカー、歯科系学会など

(将来は「歯科保険」商品を持つ保険会社も対象に)

 

 

マルチに活躍する陳CEO「共同購入やオンライン課程よりも、業界全体のデジタル化を目指す」

 「dentall」のウェブサイトは、2015年に開設された。創業者兼CEOは、現役の歯科医院院長でもある陳欽章氏である。元々、理工学を学んでいた陳CEOは、歯科医師になってから多くのニーズがシステムで解決できないことに気づいたという。そこで2018年にシステムエンジニアを招いて研究開発チームを結成し、歯科専門のシステム開発を始めた。

 「dentall(台湾牙e通)」は、台湾最大の歯科情報プラットフォームだ。これまでに台湾のサプライヤー140社が同社の調達システムに製品を卸している。自社製品や歯科医師向け材料のECサイト運営の他、歯科医師の教育トレーニングや、生涯教育のオンライン課程のプラットフォームも提供している。

 陳CEOは起業を目指すうちに、自分が単純な販売などの取引よりも「業界全体のデジタル化」に関心があることに気がついたという。dentallは、歯科分野の管理システムを構築することで、歯科業界のデータが蓄積され、今では歯科疾患に関連するリスクの計算など、データ分析に注力している。この分野を発展させていくためには、重要な認証の取得という高いハードルがあるが、医療認証を取得すれば、将来的には保険会社もdentallのクライアントになることが期待できる。

© dentall提供

 

AIの出発点とは

 dentallは7月上旬、AI歯科アシスタント「dentall.ai」サービスを開始し、患者カルテシステムのスマート化を急ピッチで進めている。同サービスは音声システムに対応しており、歯科診療の効率化が期待されている。

© dentall提供

 AI戦略については、予約を例にとると、ある日急にキャンセルが出た場合、過去の同じ時間帯に定期的に予約を入れていた患者を確認し、その時間にその患者が空いている可能性があることがデータで分かれば、歯科医院側から予約を入れることも可能となり、ひいては顧客満足度の向上につながる。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい