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戒厳令下の白色テロ時代に政治犯が収容された離島・緑島の「新生訓導処」を背景にしたドラマ「星空下的黒潮島嶼」(BLACK TIDE ISLAND)のクランクイン式が26日、北部・新北市の白色テロ景美記念園区で開かれた。

(台北中央社)戒厳令下の白色テロ時代に政治犯が収容された離島・緑島の「新生訓導処」を背景にしたドラマ「星空下的黒潮島嶼」(BLACK TIDE ISLAND)のクランクイン式が26日、北部・新北市の白色テロ景美記念園区で開かれた。ジム・ワン(王伝宗)監督は、謙虚な態度でこの歴史を見つめ、着実に歩みを進めて天国の先人に喜んでもらえる作品にしたいと意気込んだ。
同作は1950年代を舞台に、政治犯として緑島に連れて来られたエリートらが島に医療や教育、農業、エンジニアリング、芸術をもたらし、自らの生命を磨き上げると同時に島に希望をもたらすという物語を描く。手掛けるのは客家テレビなど。ワン・シーシェン(王識賢)やホアン・ハー(黄河)、ツァオ・ヨウニン(曹佑寧)、ウー・ニエンシュエン(呉念軒)、シア・タンホン(夏騰宏)が主演する。
白色テロ時代には思想や言論の自由が制限され、多くの市民が逮捕・投獄された。ワン監督は、同作の制作に当たり、白色テロ被害者で日本政府の旭日双光章受章者の蔡焜霖(さいこんりん)さんを何度も訪ねていたことを明かし、撮影開始の2週間前に蔡さんがこの世を去ったことを残念に思う気持ちを吐露した。蔡さんは今月3日に92歳で死去した。
ロー・イーリー(羅亦娌)プロデューサーは「1950年代のこれらの物語は、時間は実はそれほどたっていないにもかかわらず、私たちはこれほどまでによく知らない」と話し、同作を通じて一つの時代の記憶を後世につなげ、当時を生きた人々それぞれに異なる姿をとどめることができればと願った。
台湾では来年末放送予定。
(葉冠吟/編集:名切千絵)