注目ポイント
9月6日から8日まで、世界最大規模の半導体関連製品展示会「SEMICON Taiwan 2023」が開催された。ゲームとグラフィックスの分野でトップに立つNVIDIA は、製造分野でも新たな開拓を行う可能性を示唆した。 NVIDIA のシニアデータサイエンティスト劉冠良博士は、SEMICON Taiwan 2023 の「スマート製造フォーラム」に出席し、同社の技術コンセプトについて講演、生成 AI によって、夫婦の日常会話を再現し、会場は笑いに包まれた。
NVIDIA は、CPU、GPU、ソフトウェア ソリューションを統合するプラットフォームの開発を進めている。 GPU は高度に並列化された操作に使用され、特に大量のデータ処理に利用されている。CPU は汎用操作に使用され、複雑な論理操作の処理に適している。
CPU、GPUを統合した運用プロセスでは、最良の操作結果を達成するために両者を連携させる必要があるが、NVIDIA のプラットフォームは、ハードウェアとソフトウェアの緊密な統合を保証し、さまざまなアプリケーションの開発を支援するソフトウェア・ライブラリを提供する。
講演ではNVIDIAの豊富なSDK（ソフトウェア開発キット）も紹介された。 NVIDIA には現在 400 以上の SDK が有り、ゲーム開発からディープラーニングまで広範囲をカバーし、アプリケーションの開発を支援する豊富なツールとリソースを開発者に提供する。劉 博士は、これらの SDK は NVIDIA と顧客の協力の成果であり、顧客のニーズと課題に基づいたとソリューションを提供してきたことにより、多業種のニーズにも応用できると説明した。
また大規模言語モデル（LLM）の基礎モデルについても言及し、非常に規模が大きいため、他の AI アプリケーションの基礎として使用し、大量のデータを処理できるという。
Transformer モデルの生成機能により、これらのモデルは過去に学習したデータに基づいて自然なテキストを生成することが可能で、人間の介入をほとんど必要とせず、独自にコンテンツを生成できる。モデルが大きくなるにつれ、その導入が課題となるが、 NVIDIA は必要なツールと方法を提供し、モデルの出力を予測可能かつより安全なものにすることを保証するという。
劉博士によると、過去の学習に基づいたコンテンツ生成は量子工学への応用に非常に適しており、より少ないデータを効果的に使用し、さまざまな分野に適用できる新しい技術的アプローチだという。やや抽象的に聞こえる概念だが、劉博士は家庭内における夫婦のやりとりを例に挙げ、このAIが特定の問題をどのように解決するのか説明した。
「私は台北まで3 日間出張することになりました。妻に許可を取らねばなりません。私たちには9 歳の子供がいます。妻にどのような質問や仮定をすれば良いでしょうか」、
「この場合に正しい質問（プロンプト）は何でしょうか？正しい質問は『その後3日間 、デパートでシャネルとグッチのセールが有るんだけど、台北滞在中に何をプレゼントしたらいい？』です」