開票日カウントダウン

選挙ページへ

2023-09-21 政治・国際

「男性は心臓病リスクが2倍に」仕事のストレスと健康めぐる研究で判明

© Shutterstock

注目ポイント

仕事のストレスは、特に男性の場合、精神衛生面以外にも悪影響を及ぼす。過労が労働者の精神的、身体的健康に悪影響を与えることは、これまでの研究でも示されてきたが、さらに男性では心臓病発症リスクが倍増することが最新の研究で明らかになった。

過度な仕事量、厳しい納期、自主性が奪われた職場環境など、仕事に関連するストレス要因は、心臓の健康を損なうほど深刻な負担となることが最新の研究で明らかになった。

米医学誌「アメリカ心臓協会ジャーナル」に今週発表された研究論文によると、過労や、適切な報酬が得られないと感じながら働くこと、つまり「努力と報酬の不均衡」(ERI)のいずれかを経験した男性労働者は、それらのストレス要因がない男性に比べ、心臓病を発症するリスクは49%高かった。

また、過労とERIの両方でストレスを感じている男性は、同時に2つのストレス要因を経験していない男性と比較して、心臓病を患う確率は2倍だった。

研究論文をまとめたカナダ・ケベック大学ラヴァル研究センターのマチルデ・ラヴィーン=ロビショー氏は、「ERIは、労働者が仕事に多大な努力を費やしているにもかかわらず、その見返りとして受け取る給与、評価、雇用の安定が、仕事に対する貢献度に比べて不十分または不平等であると認識している場合に起きる」と解説した。

 

仕事のストレスは肥満に匹敵する

過労とERIがもたらす健康への悪影響は、冠状動脈性心疾患のリスクに対する肥満の影響とほぼ同等であることも分かった。

ラヴィーン=ロビショー氏は、「仕事に費やす膨大な時間を考慮すると、仕事のストレス要因と心臓血管の健康との関係を理解することは、公衆衛生と労働者の健康にとって極めて重要」と指摘。「この研究結果は、従業員と雇用主の両者に利益をもたらす健康的な労働環境を作り出すため、ストレスの多い労働環境をすぐにでも改善することの必要性を浮き彫りにしている」と続けた。

さらに同氏は「過労」の定義として、「労働者が高いレベルの結果を求められると同時に、仕事における権限が与えられない状態に直面する労働環境から生まれる」と説明した。

今回の研究は2000年から2018年にかけて、心血管疾患を持たない平均年齢45歳のカナダのホワイトカラー6465人(男性3118人、女性3347人)を追跡調査したもの。過労とERIのレベルと心臓病の発生率を比較、数値化した。

ただ女性については、心臓疾患と仕事のストレスとの決定的な因果結果は見つからなかった。ラヴィーン=ロビショー氏は、「さまざまなストレス要因と女性の心臓の健康状態との複雑な相互作用については、さらなる研究が必要」と締めくくった。

 

おすすめ記事:

「中国人を侮辱した」と根拠のない猛批判 アップルが掲載した1枚の写真が中国で炎上 

中国が「心中穏やかでない」理由とは ロシア・北朝鮮が蜜月関係アピール 

 

あわせて読みたい