2023-09-15 ライフ

どうやって感謝を伝える?今月28日は生徒や保護者が先生への感謝を伝える「教師節」

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注目ポイント

台湾には年に1度、教師(先生)に感謝する日として「教師節」という記念日がある。日本ではもちろん、台湾在住の日本人でも教師節を知らないという人は多い。だが、台湾人にとってはとても大切な日であり、毎年、生徒やその保護者は先生にどうやって感謝を伝えるものかと悩んでいる。

教師節は毎年9月28日。この日が教師節になるまでには紆余曲折があったが、孔子の誕生日である9月28日に定着した。過去1年間の指導への感謝を生徒から先生に伝えて敬意を示すという、儒教の影響で教師の地位がとても高い中華文化らしい行事で、かつては国定休日(国民の祝日)だったが、週休二日制の導入によって祝日ではなく記念日に変わった。

台湾全国にある約40の孔子廟では、毎年の教師節に「孔子祭り」が行われている。台北の孔子廟は子どもたちの踊りや太鼓の演奏がとてもにぎやかで有名で、足を運んだことのある方も多いだろう。

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台北・孔子廟の孔子祭りの様子

 

先生と生徒の交流を深める大切な行事

教師節に生徒たちはどうやって感謝を伝えているのかというと、最も多いのが手紙を贈ることだ。台湾の学校は9月入学が通例だから、新学期が始まってすぐに教師節を迎える。在校生なら新しい担任の先生と1年間お世話になった先生それぞれへ手紙を書き、手渡す。先生からすれば、生徒の成長を感じたり、思い出を振り返るきっかけになったりと、とてもうれしいものだろう。

花を贈る生徒も多く、バレンタインデーや母の日ほど多忙ではないものの、筆者の花屋も活気づく。子どもたちが先生にどんな花を贈ろうかと悩んでいる姿はとても微笑ましい。高校生の男の子は一人で花屋へ入るのに大変勇気がいるらしく、皆照れくさそうに入ってくるが、しっかり感謝の気持ちが伝わる贈り物となるように、花屋としてアドバイスしている。彼ら彼女らの姿を見ていると、教師節は先生と生徒のコミュニケーションを高める重要な機会で、純粋な心を持った子どもたちが台湾には非常に多いものだといつも感心する。

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メッセージカードに名前も忘れないように

花屋からすると、教師節の生徒から先生へのプレゼントはミニブーケや、自分あるいは先生が好きな花を1本プレゼントする程度で十分だと思っている。最も重要なのは1年間の指導に対して感謝の気持ちを伝えることで、花を贈ろうとする行為自体がその感謝を起点にしたものだからだ。先生のために花屋に来て、花を選んでいる時点ですでに立派だ。それは先生も十分理解しているだろう。

店に来る子どもたちには、花にメッセージカードを添えることもおすすめしている。「謝謝老師(先生ありがとう)」や「教師節快樂!(教師節おめでとう!)」のようなひと言でも、長文のメッセージでも構わない。当日はいろんな生徒から花をもらうため、誰からもらったかわかるように「自分の名前を書き加えるのを忘れないで」とも伝えている。

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