注目ポイント
台湾のIPアドレス等を管理する「TWNIC(財団法人台湾網路資訊中心、台湾インターネット情報センター)」が発表した今年度の「台湾インターネットレポート」に、Z世代の若者を中心に流行しているTikTok(中国の動画専門のSNS)が初めて登場した。調査の結果、TikTokユーザーは台湾人口の20%以上を超え、ユーザーは主に若年層(18~29歳)と中年層(40~49歳)に集中していることが判明した。
TWNICは8月29日「2023年台湾インターネットレポート」を発表し、Z世代の若者に人気の高いTikTokが初めて調査対象となった。台湾の22の県と市で18歳以上の2,153人を対象に調査を行なった結果、22.31%がTikTokを利用しており、ユーザーは誤情報を警戒しているものの、大半は情報の正誤を識別するスキルを持っていないことも明らかになった。
台湾のSNS(ソーシャルネットワークサービス)のシェア第1位はFacebook、第2位はLINE、第3位がTikTokであり、依然として FacebookがSNSをリードしている。ソーシャルメディアとインスタントメッセージは台湾の人々にとって日常的なものとなっていることがこのレポートによって裏付けられた。Facebook と LINEの利用率は特に高く、 主にFacebookを利用しているという人は 55.83%に上り、 Instagram(20.79%)、TikTok (2.65%)、X(旧Twitter、2.56%)となっている。 Dcard(台湾の大学生向けBBSサービス)の利用率は最も低く、主に利用するソーシャルメディアがDcardだと答えた人は、若年層で0.98%、中年層で0.5%にとどまった。 回答者の91.61%は、他人と即時コミュニケーションをとる手段として主にLINEを使用している。
台湾インターネットレポートによると、TikTok はZ世代の若者に人気で、回答者の約20%が利用している。地域別では特に「中彰投地区(台湾海峡沿いの台中・彰化・南投)」に住む高校生、専門学校、短大、大学生など若年層(18~29歳)と中年層(40~49歳)の利用率が高い。なぜ中彰投地区でTikTokの利用率が突出しているかについて、 研究責任者である国立陽明交通大学コミュニケーション&テクノロジー学部の陶振超教授は、資料が限られているため、特定の年齢層や中国にビジネスしている企業が集中しているのではないかと推測することしかできないと説明した。

© Photo Credit: 關鍵評論網Abby Huang 攝

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台湾人ユーザーの7割が誤情報の判別に苦戦
オンラインプラットフォームの普及が進んだものの、台湾の人々にとって依然として主なニュース源は「テレビ」である。 ニュースメディアの Web サイトやアプリの利用率が増え、8.14% の人々にとって主なニュース源となっている。
台湾当局及び民間組織はフェイクニュースやデマなどインターネット上の誤情報と戦っており、効果は現れつつある。 レポートによると、インターネット上で虚偽の情報を発見した場合、20.17%の回答者は、コメントを残す、投稿者に直接メッセージを送信する、Web サイト管理者に通知するなど、積極的な是正措置を講じる可能性が高いという結果が出ている。しかし、それ以前の問題として、人々は誤情報であるかどうかを自ら判断するスキルについて自信を持っていないという。