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台湾の国防部(国防省)は11日午前、中国の空母「山東」が台湾本島最南端ガランピ(鵝鑾鼻)の南東60カイリの地点を東に航行し、訓練のために西太平洋に入ったと発表した。

(台北中央社)国防部(国防省)は11日午前、中国の空母「山東」が台湾本島最南端ガランピ(鵝鑾鼻)の南東60カイリの地点を東に航行し、訓練のために西太平洋に入ったと発表した。国防部によれば、台湾周辺の空域では同日午前5時40分以降、中国の軍用機13機を相次いで確認し、このうち11機が台湾海峡の中間線を越えたり、台湾南西の空域に進入したりした。
確認された軍用機は「殲16」戦闘機、「スホイ30」戦闘機、「空警500」早期警戒機、無人機など。国防部は、国軍が統合監視手段を用いて関連の海空域の動向を厳密に把握するとともに、待機させていた軍用機、軍艦を派遣し、沿岸防衛巡航ミサイルで適切に対処したとしている。
また国防部の資料によれば、11日午前5時までの23時間には中国の軍用機延べ26機と軍艦同13隻が確認された。軍用機のうち、「スホイ30」戦闘機2機と「殲16」戦闘機6機、「殲10」戦闘機2機の計10機が中間線を越え、「運9」通信対抗機1機が中間線の延長線上を越えて台湾南西の空域に入った。
シンクタンク、国家政策研究基金会の揭仲副研究員は中央社の取材に対し、中間線は暗黙のラインであるため、「中間線越え」は軍事的には特別な意味はないと指摘した上で、中国がこの行動によって示したいのは挑発や圧力だと分析。米国とカナダの軍艦が9日に台湾海峡を通過したことから、これに対する「政治的威嚇」の可能性もあるとの見方を示した。
(游凱翔/編集:名切千絵)