2023-09-12 ライフ

台湾初「未来の獅子賞」受賞 リー・ホンチーの初監督作品 ベネチア映画祭で 

注目ポイント

イタリアで開かれていた第80回ベネチア国際映画祭の授賞式が現地時間9日行われ、俳優のリー・ホンチー(李鴻其)の初監督作品「愛是一把槍」(Love Is a Gun)が、監督デビュー作を対象とした「未来の獅子賞」を受賞した。台湾の映画監督が同賞を受賞するのは初めて。

 

第80回ベネチア国際映画祭の授賞式で「未来の獅子賞」を受賞した俳優のリー・ホンチー=好威映象提供

(台北中央社)イタリアで開かれていた第80回ベネチア国際映画祭の授賞式が現地時間9日行われ、俳優のリー・ホンチー(李鴻其)の初監督作品「愛是一把槍」(Love Is a Gun)が、監督デビュー作を対象とした「未来の獅子賞」を受賞した。台湾の映画監督が同賞を受賞するのは初めて。

同賞は新人監督賞に相当する。同映画祭で台湾映画が賞を獲得するのは、2013年にツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督の「郊遊 ピクニック」が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞して以来10年ぶりとなった。

同作はホンチーが監督兼主演を務める。新型コロナウイルス流行後の浮足立った社会を背景に、出所後の青年が再出発を目指すものの、身近な友人らに何度も過去に引き戻されてしまう―という物語が描かれる。

授賞式でホンチーは審査員に感謝を述べた上で、「これまで多くの華語(中国語)映画の大御所や先達らがこの舞台に立ってきた。彼らは私の映画の世界観に大きな影響を与えた。彼らはみな、私にとっての手本だ」と語った。

文化部(文化省)によれば、史哲(してつ)文化部長は受賞の知らせを受けると即座に同作の関係者に祝意を伝えたという。史氏は、台湾の数多くの優秀な映画人がたゆまぬ努力を続け、多様で創意あふれる作品を生み出し、台湾映画を世界に羽ばたかせていることに感謝した。

同作は台湾では12月に公開予定。

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