注目ポイント
大航海時代から世界に知られてきた島--台湾は多様なエスニックを背景とし、豊かな物語に満ちている。前世紀の末から「台湾学」が盛んになり、多くの台湾人が研究を進めている。
2016年8月27日、晴天。楊南郡はお気に入りの登山の装備を身につけ、早朝の光の中、無数の著書を残してこの世を去った。
2019年、徐如林は一人で『霞喀羅古道:楓火与緑金的故事』を完成させ、これを最後に執筆活動を停止した。後は若い世代に任せたいと考えている。それでもさまざまな人を率いて今も古道や山林を歩き、古道の物語を伝えている。
例えば、ブヌン族の若者たちを連れて八通関古道を通り、かつての集落の遺跡を訪れる。これにより、若者たちは祖先とのつながりを得て自分たちの歴史を知り、民族への自信を深める。徐如林はブヌンの青年たちにこう話す。「昔、あなたたちの先輩が山で私たちに語ってくれた物語を私から伝えます。これはあなたたちの歴史であり、ルーツなのです」と。かつて、原住民の長老たちが楊南郡と彼女と一緒に古道を踏査し、山林の知識を教えてくれたように、彼女は無私の伝承者としての役割を果たしているのである。
「あなたたちは、名前のない協力者としてではなく、ここの主人として、旅行者に自分たちの文化と物語を紹介するべきです」とブヌンの若者たちを励ます。彼女は、より多くの人に自分の方法で古道を歩いてもらい、私たちを育んできた母なる台湾を知ってほしいと考えている。





転載元:台湾光華雑誌