2023-09-07 政治・国際

インドネシアで開幕ASEAN関連首脳会議南シナ海の権益巡り中国にアジア各国が反発

© GettyImages 記念撮影するASEANの首脳ら

注目ポイント

5日にインドネシア・ジャカルタで開幕した東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議では、南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶと主張する新たな地図を8月に公表した中国に対し、ASEAN加盟国を含むアジア各国が反発しており、海洋権益をめぐる議論が行われた。

インドネシア・ジャカルタで6日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日本、中国、韓国)首脳会議で中国の李首相は、インド太平洋地域で地政学的対立が強まるなか、国家間の対立への対処で「新たな冷戦」を避けることが重要と主張した。

李首相は各国が「相違や紛争を適切に処理」する必要性を指摘。「一方の味方をすることやブロック対立、新たな冷戦に反対することが、今非常に重要だ」と訴えた。

ASEANと日米韓中ロなどが7日に行われる東アジアサミット(EAS)の首脳声明をめぐっては、中国が「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約に関する一部記述の削除を求めたことが判明。中国は海洋活動を規制する枠組みとして条約を評価する表現に反対している。

中国の海洋活動をめぐってASEAN会合では、南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶと主張する新たな地図を8月に公表し、環礁を埋め立てるなどして領有権主張を既成事実化しようとする中国に対し、国際海洋秩序を強調したいASEAN加盟国やインドなどが反発しており、中国の強硬行動が一連の会議で重要議題になっている。

日本政府は中国の新地図に沖縄県・尖閣諸島が中国名の「釣魚島」と表記されていることに外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、即時撤回を要求した。これに中国外務省の毛寧副報道局長は6日の記者会見で、「日本の抗議は受け入れない」と一蹴。「中国の地図が釣魚島を中国領土と示すのは当たり前のことだ」と主張した。

そんな中、ライダー米国防総省報道官は5日の記者会見で、中国の新地図について、「国境を再編し、他国がそれに従うことを期待してニューノーマル(新常態)をつくり出そうとしている」と強い警戒感を示した。一方的な現状変更の試みを許さず、同盟・友好国の主権を守るため各国と緊密に連携するとした。

パテル国務省副報道官も記者会見で、新地図が各国の反発を引き起こしていると指摘。「各国と同様に、地図に描かれた中国の違法な海洋権益の主張を拒否する」とした。インド太平洋重視を掲げるバイデン政権は、中国に反発する各国に寄り添う姿勢を強調している。

一方、ロイター通信は、ASEAN関連首脳会議に続き、9~10日にインドで開催される20か国・地域(G20)首脳会議に中国の習近平国家主席が欠席を決めたことについて、「インド政府は中国のインドに対する冷ややかな態度が、既に凍り付いているアジアの核保有2大国の関係をさらに悪化するものと受け止めている」と報じた。

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