2023-09-10 ライフ

もう写真のアップロードはしなくていい!富士山に魅了される人々、ウィキペディアも困惑

注目ポイント

日本最高峰である富士山の雪に覆われた山頂と荘厳な雰囲気は、地元住民を魅了するだけでなく、多くの観光客にとっても人気スポットである。しかし意外なことに、人々の富士山への憧れがウィキペディアに問題を引き起こしている


文:古家萱

静岡県と山梨県にまたがる富士山は、日本を代表するランドマークといえば、という質問で多くの人が真っ先に思い浮かべるものだろう。日本最高峰である富士山の雪に覆われた山頂と荘厳な雰囲気は、地元住民を魅了するだけでなく、多くの観光客にとっても人気スポットである。

しかし、思いがけず人々の富士山への憧れはウィキペディアを困らせ、同社は声明を出さなければならないほどである。


一体何が起こっているのか?

《まいどなニュース》の報道によると、静岡理工科大学の公認サークルのメンバーが最近「みんな富士山が大好きすぎて、キレられてる」とツイートした。そのツイート内容によると、どうやら多くの人が富士山の写真を投稿しすぎて、百科事典として必要な枚数以上の画像が集まってしまっているということのようで、このような表示までされていた:「ウィキペディアはインターネット百科事典であり、富士山の画像投稿サイトではありません」、皆さんにはこれ以上の写真アップロードをお控え頂くようにお願いします。

実際、この「富士山の写真投稿サイトではない」という声明は2009年に登場し、当初ウィキペディアは熱狂的なユーザーに対し暖かい言葉でこう諭した:「美しい富士山の写真をアップしたい気持ちはわかりますが、ページの容量を肥大化させる原因となりますので、同種の画像を複数枚使用するのはお控えください。」と表示した。

現在、ウィキペディアはこの記述を削除しているが、日本語版のウィキペディアの富士山のページをクリックすると、世界中のネットユーザーがさまざまな角度から撮影した写真を多数見ることができ、それはまるでギャラリーやFlickrで富士山を検索するようなものである。


私が見ている富士山を皆にも見てもらいたい

© Photo Credit:Wikipediaのスクリーンショット

このシェア投稿はすぐに多くのネットユーザーを惹きつけ、そのほとんどがこのメッセージを面白がってリツイートした。しかし、写真を投稿する側の気持ちも理解できるという:「皆、自分の目に映る富士山が一番美しいと思っている」、「見る方向で印象が大きく変わる山体なので、その比較の意図もありそう」。

しかし、中には苦笑いを浮かべながらこういう人もいる:「みんなすごいな~私は富士山撮るの苦手(笑)」、「気付いたら富士山の写真投稿サイトになってるww」、現在までに、このツイートは8,300件以上のリツイートを記録し、166万回見られている。

© Photo Credit:葛飾北齋,Public Domain@Wikipedia

実際、ウィキペディアに富士山の写真を掲載するのが好きな現代人とは別に、歴史上の浮世絵師たちもこの地を訪れて富士山の絵を残しており、中でも最も有名なのは葛飾北斎の《富嶽三十六景》である。富士山を題材に46枚の版画を制作し、よく知られている《凱風快晴》や《山下白雨》はいずれもこのシリーズのもので、富士山を初めて版画にした人物といえる。

この酔狂なおじいさんがもし現代に生まれていたら、富士山の絵をウィキペディアにアップするだろうか?


 

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