2023-09-01 観光

選挙出馬も媽祖さまのお告げ?―台湾に根付く媽祖信仰とパッポエ―

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注目ポイント

台湾では、重要な決定をしたり、悩みごとがあったりしたらお寺や廟へ行って神様に相談します。三日月形の木片を二つ放って、裏と表が出たら神様のお告げがあったという意味です。これを「擲筊(パッポエ)」と言います。媽祖廟と関帝廟は台湾の庶民から絶大な人気で、神様の誕生日や中元節、旧正月などはどの廟にも非常に多くの人が参拝します。今回は台湾に根付くパッポエ占いと代表的な神様、媽祖と関羽について紹介しましょう。

 

ところで媽祖、関羽ってどんな人

媽祖は、宋の時代の女性で、実在した官吏の娘、黙娘が神となった航海・漁業の守護神です。今では商売から健康、受験、出世、子宝、農業など、ありとあらゆる願いを叶えてくれ、台湾の人々から最も慕われているとても身近な道教の神様で、“国民の女神”とも言われています。媽祖を祭った媽祖廟は台湾だけで510宇もあるとされています。台北の大稲埕慈聖宮をはじめ、台中の大甲鎮瀾宮、雲林県の北港朝天宮、彰化県鹿港の媽祖廟が有名です。旧暦3月23日の誕生日にはご神体をお神輿に乗せて巡礼します。台湾で一番有名なのは、台中の大甲鎮瀾宮から嘉義県の新港奉天宮まで、9日かけて巡礼する大甲媽出巡遶境で、340㎞以上移動します。この巡礼はUNESCOの「無形文化遺産」にも登録されています。

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媽祖像

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媽祖出巡遶境

関羽は皆さんご存じの三国志演義に登場する後漢末期の武将で、劉備への忠義を貫き、その人並み外れた武勇や義理を重んじた関羽は、曹操など同時代の多くの人から称賛されました。武運と財運をつかさどると言われています。関羽を祭っている廟としては台北市の行天宮が有名です。

今度、台湾観光にいらっしゃった折には有名なお宮や廟で写真を撮るだけではなく、ぜひパッポエをやってみてください。廟には正しいやり方を親切に教えてくれる係の人がいますから、安心してチャレンジしてみましょう。

 

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