2023-08-25 政治・国際

金門砲戦から65年 蔡総統「国防力と強靭性向上させる」/台湾

注目ポイント

人民解放軍が離島・金門島に砲撃を行った「金門砲戦」の勃発から65年を迎えた23日、現地で追悼式典が行われた。

金門砲戦の戦没者に花輪を手向けた蔡英文総統

(金門中央社)人民解放軍が離島・金門島に砲撃を行った「金門砲戦」の勃発から65年を迎えた23日、現地で追悼式典が行われた。式典後、当時戦闘に参加した兵士やその遺族らとの食事会に出席した蔡英文(さいえいぶん)総統は、徹底した国防改革と自主国防を推進し、国防力と強靭性(きょうじんせい)を向上させると語った。

蔡氏は、数十万発の砲弾による攻撃を受ける中、島に駐留していた兵士や住民は「島と運命を共にする」との覚悟で共産党軍を撃退し、ふるさとを守ったとした上で、台湾に民主主義と自由の道を歩む機会をもたらしたと強調。金門砲戦での勝利がなければ、今の台湾はなかったと語り、兵士や遺族らに敬意を示した。

また権威主義の拡張と脅威は、台湾海峡とその周辺地域の安全保障と安定に影響を与えていると指摘。民主主義と自由に対する堅持や分け隔てなく共に故郷を守る態度は、国際社会からより多くの評価と支持を勝ち取ることになったとの認識を示した。

蔡氏は、2016年の就任以降、台湾海峡の平和と安定の立場を守ることに尽力したとしながらも、平和維持のためにはまず自分自身が強くなる必要があると語気を強めた。

式典には来年1月に行われる総統選の野党・国民党候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長も出席。式典後にはメディアに対し、当時の金門の軍人と住民の犠牲と貢献に感謝を示すことが出席の目的だったと説明。蔡氏と接触があったかについては言及を避けた。

(温貴香、劉冠廷/編集:齊藤啓介)

 

 

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