2023-08-22 経済

中国、半導体輸出規制懸念でNVIDIAチップ買占め 米国「CHIPSおよび科学法チップ法」1周年、民間投資支援強化

© 美國商務部公開資訊

注目ポイント

米国商務省(USDC)が発表した情報によると、米国では2300億ドル以上の半導体製造が民間企業によって行われている。 ジョー・バイデン大統領がCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)にサインして以来......民間部門からの非常に力強い投資が見られるようになった」と米商務省は述べている。

CHIPSおよび科学法は新型コロナ感染症の流行中に、米国政府が世界的な半導体チップサプライチェーンの中断に備えて立案したものである。半導体チップのアジアへの一極集中リスクを分散し、特に台湾、日本、韓国等の半導体メーカーによる米国本土での半導体チップ工場設立を強力に支援することを目的としている。

 

中米それぞれの思惑、米国はCHIPSおよび科学法成立1周年を祝う

 この法案で、米国商務省は米国の半導体産業の活性化と高度な半導体チップサプライチェーンの構築に総額500億ドル(約7兆2770億円)という巨額の補助金を割り当て、その内390億ドルは製造業に、110億ドルは研究開発プロジェクトに使用される。

米国のジーナ・レモンド商務長官は、すでに米国の42州から460件以上の関心申告書(SOI)が提出されており、多くの企業が米国内でより多くの半導体サプライチェーンを構築し、数十万人規模で高収入の雇用の需要を生み出すことを希望していると述べている。

米国商務省が公開した資料によると、米国の民間企業の半導体製造規模は2,300億ドル(約33兆4742億円)を超えており、ドン・グレイブス商務副長官は「バイデン大統領がCHIPSおよび科学法に署名して以降、民間投資が活発になった」と述べている。

CHIPSおよび科学法成立1周年を祝うホワイトハウスを牽制するかのように、中国政府は7月7日、2種のレアメタル、ガリウムとゲルマニウムの輸出規制を強化する決定を下した。いずれも半導体、ソーラーパネル、ミサイルシステムに頻用される鉱物である。

中国はレアメタルを外交戦略のカードとすることに加え、広大な中国市場を利用し、在中国の米国企業がバイデン政権に圧力をかけるよう迫り、半導体チップ輸出禁止令を変更させようとすると予想される。NVIDIAやIntel(インテル)Qualcomm(クアルコム)等米国の半導体業界大手は皆、バイデン政権が半導体チップ及び製造設備の対中輸出規制を拡大することに反対している。

 

訳:椙田雅美

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