注目ポイント
米国商務省(USDC)が発表した情報によると、米国では2300億ドル以上の半導体製造が民間企業によって行われている。 ジョー・バイデン大統領がCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)にサインして以来......民間部門からの非常に力強い投資が見られるようになった」と米商務省は述べている。
米中両国に二極化する半導体産業。米国が半導体チップの対中輸出禁止措置を拡大する中で、バイドゥ(百度)ほか中国のハイテク大手が総額50億ドル(約7,277億円)相当の半導体チップを買いだめしている。一方、米国では2022年8月に成立した「CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)」成立1周年を祝い、8月9日には先端半導体と量子技術、人工知能(AI)の3分野を対象に、対中投資の新規制に関する大統領令が発せられた。半導体チップのサプライチェーン構築について、資金援助を希望する企業は申請の前段階として、関心申告書(Statement of Interest:SOI)を提出する必要があるが、商務省によればこれまでに国内42州にまたがる企業から460件以上のSOIを受領しているという。
中国企業、50億ドル相当のNVIDIAチップを買いだめ
英国のフィナンシャル・タイムズが複数の関係筋に取材したところによると、中国のハイテク大手、バイドゥ、ByteDance(バイトダンス)、テンセント、アリババ等が相次いでNVIDIAにGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を発注した。取引額は少なくとも10億ドル(1,455億円)、累計40億ドル(約5820億円)に達し、2024年に納品される予定だという。
主な発注製品は NVIDIA の主力である先端半導体最A100 の代替品となるA800。フィナンシャル・タイムズによると、米国が今年A100の輸出禁止令を出したため、中国企業はホワイトハウスが規制を拡大する前に、規制対象外のA800を買いだめしようと争奪戦になっているという。
バイドゥのスタッフが匿名を条件に取材に答え、これらのNVIDIA半導体チップがなければ大規模な言語モデルのトレーニングは行えないと明かした。 これは、中国が生成AIの開発で米国に大きく遅れをとることを意味している。また ByteDanceの内部関係者によれば、同社は少なくとも 10,000枚の NVIDIA製 GPU を備蓄しており、今後更に70,000 枚、7 億ドル(約1,018億円)相当 A800 チップを購入し、来年納品の予定だという。
中国の半導体産業がボトルネックに直面する中、米国では8月9日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)」の成立1周年記念行事が行なわれた。 米国商務省は「CHIPSおよび科学法は、半導体分野における米国の競争力を強化し、他国での半導体製造への依存を減らすと同時に、長期的な国家安全保障及び米国経済の増強を図るものである」と声明を出している。