2023-08-20 政治・国際

駐仏台湾代表「新世代の到来」 フランスが「7年国防計画法案」を公布 台湾海峡の航行の自由を初めて法的に保護

© Photo Credit: GettyImages

注目ポイント

フランスは8月1日「7年国防計画法案」(2024~2030年LPM)を正式に公布した。7年間の予算総額は過去最大となる4133億ユーロ(約65兆6733億円)。台湾海峡における航行の自由をフランスが法的に保護する内容となった。これを受けて台湾外務省は、フランス議会が初めて台湾を盛り込んだ法案を採択し、フランスは世界の主要国として初めて台湾海峡の自由航行の権利を保護する国になったと発表した。

7月12日から13日にかけて、フランス国民議会と元老院がそれぞれ審議及び採決を行ない、過去最高額の総額4133億ユーロに達する「7年国防計画法案」の軍事予算が可決された。 法案には、フランスがインド太平洋における大国として地域の平和と安定を維持するため、国際海洋法に従ってインド太平洋地域、特に南シナ海と台湾海峡における航行の自由を守り続けることを再確認する内容が含まれている。

法案は、フランスのインド太平洋防衛戦略と省庁間戦略およびEUのインド太平洋戦略は高度に適合しており、ヨーロッパで唯一インド太平洋地域に海外県・領土を有するフランスがEUのインド太平洋戦略の啓発者であり、重要な柱であると指摘している。またフランスのインド太平洋戦略はオーストラリア、日本、インド、その他の国々との戦略的パートナーシップに基づいていると述べ、中国等の戦略的に競合する国の位置付けを考慮する必要があるとも述べている。

8月1日、エマニュエル・マクロン大統領が「7年国防計画法案」を正式に公布し、立法手続のすべてが完了した。

国民議会で法案を審議中、セバスティアン・ルコルニュ軍事大臣は「フランスは冷戦終結以来、強権政治の再発、複合的な脅威、テロリズムそして核拡散のリスク等、これほど多様で変動の激しい安全保障上の脅威に直面したことはなかった」発言した。

「前例のない安全保障上の脅威に対峙するために、この『7年国防計画法案』は、宇宙、サイバー、海底戦略等の新興分野を強化するとともに、陸空防衛、諜報活動、予備兵員の拡充等の予算全体を増額するものだ。フランス本土及び海外領土の安全の防衛を強化し、フランスの軍事力の投射力と介入能力を強化する」と力説した。

「7年国防計画法案」の予算総額は過去最高の4133億ユーロで、フランスの国防予算は2025年までに国内総生産(GDP)の2%に達すると予想されている。 フランス軍の宇宙戦力強化に60億ユーロ(約9534億円)、サイバー分野には前回の3倍となる40億ユーロ(約6356億円)の予算を割り当てている。

台湾駐仏代表処の呉志中代表は、自身のFacebookでこのニュースを共有し「フランスはインド太平洋地域で軍事行動能力を擁し『台湾海峡における航行の自由の防衛』を拘束力のある法案に組み入れた世界初の国家となった」と述べ 「台湾は決して一人ではない、国際的な支援が増大している!新世代の到来だ!」と賛同した。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい