注目ポイント
3年半の台北暮らしののち、美食の街・台南に夫婦で移住した料理家でライターの遊佐水亜さんが、新天地で見つけたおいしいローカルグルメや訪ねるべき名店、市場、漁港などをナビゲートする月イチ新連載。初回は台南随一のグルメストリート・國華街を舞台に、夫婦ふたりで夢中になっている絶品小吃をピックアップ!
こんにちは! 今まで「季節の『おいしい』を探す台湾市場めぐり」というタイトルで、台北を中心に歴史ある市場の楽しみ方を紹介をしてきました。今年6月に夫とふたりで大好きな台南に引っ越してきたことを機に、今月からは少しテーマを変えて、台南でのんびりと暮らし始めた私たち夫婦が日常のなかでみつけた、たくさんのおいしいものをご紹介していけたらと思っています。
永楽市場のグルメ通り、國華街でローカルな朝ごはんを
台南市中心部には、長い歴史を持つ水仙宮市場に隣接するもうひとつの市場、永楽市場があります。その永楽市場に面したストリートのひとつ、國華街(グォファジエ)は、台南を代表する多彩なジャンルの美食があつまる一大スポット! 小道の両脇には小吃(シャオチー)のお店がずらりと並び、とても活気があります。
台南の名物グルメといえば、牛肉湯(牛肉のスープ)、蝦仁飯(海老ごはん)、虱目魚(サバヒー)など。もちろんこれらを味わえるお店もあるのですが、今回は國華街で個人的におすすめしたいローカルフードをいくつかピックアップしてみました。

私たち夫婦が台北に住んでいた頃から、台南旅行に来るたびに好んで食べていたのが土魠魚羹(さわらのとろみスープ)。野菜を煮込んだあんかけスープに揚げたさわらをのせただけのシンプルなメニューは、「好味紅燒土魠魚羹」というお店で味わうことができます。
スープには麺や米粉(ビーフン)を追加できて、一杯でも満足できるボリューム。さわらのふんわりさっくりとした食感がたまらないですし、素朴でやさしい甘さのスープも絶品です。テーブルに用意してある唐辛子や黒酢を加えて、味に変化をつけるのもおすすめ!
ヘルシー&具だくさんの春捲は必食
行列のできる人気店「金得春捲」の看板メニュー、春捲(台湾式クレープ)も大好きな料理のひとつ。台北では潤餅(ルンビン)と呼ばれ、薄い生地でさまざまな具材をくるりと包んだ、食べごたえのある一品です。キャベツ、海老、干し豆腐、薄焼き卵、豚肉、香菜などの具材が入っていますが、入れたいものだけリクエストするのもOK!

台南グルメは基本的に甘い味つけのものが多いのですが、同店の春巻にもたっぷりのピーナッツ砂糖が入っています。甘さはその場で調整できるので、最初は砂糖を少しひかえめでお願いするのが無難かも? かくいう私たちも甘いものが苦手なので、毎回「無糖(砂糖なし、ピーナッツのみ)」でオーダーしています。
台湾式バーガーやカキの揚げものなど伝統的なフードにも注目
台北で慣れ親しんだ味とはちょっと違って印象的だったのが、「阿松割包」の台湾式バーガー、割包(グァバオ/刈包と表記することもあり)。白くてふわふわの蒸しパンにお肉と酸菜(漬物)、大根、ピーナッツソースがはさんであり、独特の甘酸っぱさと豚肉の旨みのバランスがくせになります。