2023-08-16 経済

シャープ6年ぶりの赤字、鴻海東南アジアへの移転加速 南印に工場設立へ2億米ドル

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注目ポイント

台湾の鴻海(フォックスコン)は、タイの国家エネルギーグループ(PTT)傘下のアルン・プラス(ARUN PLUS)との合弁会社HORIZON PLUS設立など、東南アジア諸国における事業展開を進めており、地域の2024年電気自動車量産目標達成に向けて重要な一歩を踏み出した

 鴻海は2億米ドルを投資し、インド南部に工場設立か?

 米ロイター通信の報道によると、鴻海の子会社フォックスコン・インダストリアル・インターネット(FII)がインド南部に2億米ドルを投資してエレクトロニクス工場を建設する計画で、通信機器を生産するFIIは、現在タミル・ナードゥ州政府と協議中だという。

報道では、計画の第一段階として1億8000万米ドルから2億米ドルを現地に投資し、工場は来年完成する見込みという。それまでに鴻海は投資を拡大する可能性があるが、両当事者は、まだ最終的な決定に至っていない。 関係者によると、タミル・ナードゥ州の州都はインド工業の中心地チェンナイで、鴻海は同地に巨大な工場を設立し、アップルのiPhone(アイフォーン)などの製品を組み立てている。

近年、鴻海は「電気自動車、デジタルヘルス、ロボット」の3つの新たな産業と「人工知能、半導体、新世代通信技術」の新しい技術分野に積極的に投資し、「3プラス3」の提携をグループの重要な長期成長戦略としている。

半導体産業は、鴻海の「3プラス3」戦略の重要な一環である。2022年2月14日、鴻海はサプライチェーンにおける半導体部品の供給を確保するため、インドに半導体生産ラインを開設。インドの大規模な多国籍グループであるVedantaと共同出資して、インドで半導体を製造する合弁会社を設立する意向だ。

鴻海によると、両社が初めて共同で設立したプロジェクトは、現地の製造エコシステムを確立するというナレンドラ・モディ首相のビジョンに応えたものだという。

双方が合意した覚書によると、ベダンタが合弁会社の株式の大半を保有し、鴻海は少数の株式を保有する。

合弁会社の会長は、ベダンタのアニル・アガルワール(Anil Agarwal)会長が就任する。

 

鴻海の軸足は北東アジアから東南アジアへ移る

 注目すべき点は、この合弁事業計画は半導体製造への投資を主な目標としていることである。このプロジェクトは、インド政府が最近提案した生産連動型優遇策(PLI)に応えたものであり、政策発表後のエレクトロニクス製造業における初の合弁事業となる。

なお、鴻海は東南アジアなどにも進出しており、例えば鴻海とPTT傘下で電気自動車(EV)開発を手掛けるアルン・プラス(ARUN PLUS)が合弁でHORIZON PLUSを設立するなど、東南アジア諸国における2024年EV量産目標の達成に向けて大きな一歩を踏み出した。

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