2023-08-14 政治・国際

パラグアイ向かう頼副総統、経由地NY到着 中国「強烈な不満と強烈な非難を表明する」

© GettyImages 台湾の頼清徳副総統

注目ポイント

台湾ナンバー2の頼清徳副総統が12日(日本時間13日)、南米訪問の経由地、米ニューヨークに到着した。13日までの滞在中、米国との友好関係をアピールしたい考えだ。中国外務省報道官は同日、「強烈な不満と強烈な非難を表明する」と強く反発し、自らの主権を守るため強硬な措置を講じると明言した。

来年1月に行われる台湾総統選の有力候補で、与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統が12日(日本時間13日)、南米訪問の経由地、米ニューヨークに到着した。13日(日本時間14日)までの滞在中、米国との友好関係をアピールしたい考えだ。

一方、中国外務省報道官は同日、頼氏の米国立ち寄りに対し、「強烈な不満と強烈な非難を表明する」との談話を発表、強く反発。自らの主権を守るため強硬な措置を講じると明言した。

ロイター通信によると、中国側はこの外遊に対して繰り返し異を唱えており、頼氏がニューヨークに着いた直後に外務省が「台湾独立派」の米国訪問に反対するとの声明を発表。「頼氏は台湾独立の立場を堅持していて、根っからのトラブルメーカーだ」と述べた。

同通信は、「頼氏が選挙戦で中台関係の現状に変更を加えるつもりはないと主張しているが、中国側は同氏を台湾独立派として目の敵にしている」と伝えた。

台湾政府は先月、頼氏の米国立ち寄りを明らかにしたが、米台は頼氏の滞在中の予定について詳細を明らかにしていなかった。米国が対中関係の安定化を図る中、中国を過度に刺激したくないとの思惑だ。

台湾紙・自由時報は、頼氏が在米台湾人との会合に出席するほか、米議会関係者と面会するとの見通しを伝えた。

頼氏は南米で唯一、台湾と外交関係があるパラグアイのペニャ元財務相の大統領就任式に出席するほか、各国の首脳と積極的に交流したいとの意向を示している。往路ではニューヨーク、復路でサンフランシスコを経由。ニューヨークには現地時間12~13日に滞在し、在米台湾人との会合に出席する。復路では16~17日にサンフランシスコに滞在する予定となっている。

台湾外交部(外務省)高官は会見で「(米国への立ち寄りが)他国の不快感や対立を深める口実になってはいけない」とし、立ち寄りは快適性・安全性・利便性・尊厳の原則に基づくものだと述べた。

一方、中国外務省報道官は13日、頼氏の米国立ち寄りについて、米国と台湾のいかなる公的接触にも反対するとして強く反発。「台湾問題は中国の核心的利益の核心だ」と改めて強調。中国政府は事態を注視し、国家主権と領土保全を守るために断固として措置を講じると表明した。

頼氏の米国経由へのけん制とみられる軍事演習を浙江省沖の東シナ海で12~14日に行うため、航行禁止区域を設定したと浙江海事局が11日、発表している。

海事局が禁止区域にしたのは、浙江省舟山市から約100キロの周辺海域。中国外務省の報道官は今月3日、頼氏が米国を経由することに関し「中国はあらゆる形式の米台の公的な往来に断固反対する」との談話を発表し、強く非難していた。

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