注目ポイント
キース・クラック元米国務次官は10日、蔡英文総統と総統府で面会し、「強大で強靭かつ自由な台湾がなければ、世界各地の自由は権威主義政権の脅威にさらされることになる」との考えを示した。

(台北中央社)キース・クラック元米国務次官(経済、資源、環境担当)は10日、蔡英文(さいえいぶん)総統と総統府で面会し、「強大で強靭(きょうじん)かつ自由な台湾がなければ、世界各地の自由は権威主義政権の脅威にさらされることになる」との考えを示した。クラック氏は米パデュー大学に設置された研究機関「クラックテクノロジー外交研究所」の会長の身分で訪台した。台湾を訪れるのは国務次官在任中の2020年9月以来。
クラック氏は、米議会からの委託を受けて同研究所に「グローバルテクノロジー安全保障委員会」が立ち上げられたことを紹介し、同委員会の目的は明確な世界的テクノロジー安全保障戦略を制定することだと説明。科学技術が権威主義政権によって攻撃の武器とされないようにすることが使命だと述べた。
その上で、世界的テクノロジー安全保障戦略の重要な任務は、台湾の繁栄や国際的地位、主権を強化することだと言及。同研究所が現在「台湾イノベーション・繁栄センター」の立ち上げを準備していることを明かした。
蔡総統は、同研究所がハイテクノロジーによる民主主義や自由、人権の価値観の防衛を推進していることを評価し、クラック氏の先見性と台湾に対する固い友情に敬意と心からの感謝を表明した。
(温貴香/編集:名切千絵)