2023-08-07 政治・国際

台北2023漫画博覧会は満員御礼 中国も巻き込んで文化交流の場に!

© 22回目を迎えた「2023漫画博覧会」=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

注目ポイント

台湾最大級のマンガ・アニメの祭典、2023「漫画博覧会」が、7月27日から31日まで、台北世界貿易センターで開催され、出展企業によるブース展開やグッズ販売、さまざまなステージイベントなどで例年以上のにぎわいを印象づけた。今回で22回目という恒例イベントを、自分の人生そのものがマンガだ!という台北在住のライターが突撃ルポを敢行してみた。

来場60万人、売上13億円規模の巨大イベント

「さらにエキサイティングしている」……お目当てのコミックやアニメ商品をめがけて行列を作り、関連商品を求める少年少女の熱気を肌で感じ、そう思った。

コミケ、同人誌、コスプレ大会、どれもが日本顔負けの本格さで開催される台湾だが、大学キャンパスなどでも展開されるそうしたコミックやアニメ関連イベントのうち、最も大規模なイベントが台北101ビルに隣接する台北世界貿易センターを舞台に開催される台北「漫畫博覽會」だ。

連日超満員だった「2023漫画博覧会」=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

日本の大手出版物商社であるトーハンの台湾現地法人「東販」や、同じく角川書店の台湾現地法人「台灣角川」をはじめ、尖端出版、東立出版など週刊コミック誌の翻訳出版を手がける大手漫画出版社が全て会場に顔を揃える場となるこのコミックの祭典は、第22回を迎え、7月27日から31日まで5日間の日程で開催された。

漫画出版業界大手の責任者によれば、最近はコミック以上にゲーム関連の売上が急速に伸び、大市場になっているという。その背景もあってか、このコミックの祭典は、来場客を一気に集中させる意図もあり、「台湾国際電玩電競産業展」と銘を打ったゲームの祭典も同時開催だった。

台湾東販は中文版日本コミックを多数手がけている=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

初日は南部に台風が上陸するというあいにくの荒天だったが、会場の外は傘の花が咲き乱れ、入場を待つコミック&ゲームファンで埋め尽くされた。主催者である中華動漫出版同業協進会によると、5日間の開催期間、約60万人の来場が見込まれ、各社メーカーが販売する商品の売上は3億台湾元(日本円13億4000万円)に達すると予測した。

オープニングセレモニーには、Eスポーツ好きを自認する台北市長の蔣萬安氏も参加。「台北市が全面バックアップした競技大会の開催を目指し、関連産業を支援する」と宣言するという熱の入れようだった。

ゲーム展側ではセクシー系コスプレ嬢の姿も=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

会場内は壮大な「オモチャ箱」

さて、現地突撃レポーターの筆者も、その熱気の中にダイブ!してみたのだが、台湾の若者たちの目の輝きは尋常ではなく、30分後にはもうヘトヘトになってしまった。

自慢のコスプレ姿で参加の若者ら。会場は熱気にあふれた=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

フィギュアあり、ぬいぐるみあり、カードあり、コスプレ用の扇子やらの小物を扱う出店あり。「鬼滅の刃」の影響なのだろうか、時代モノマンガ・アニメには日本刀が頻繁に登場するため、和装のコスプレに合わせたプラスチック製などの模造刀を展示・販売するブースも。それぞれ長打の列や人だかりができていた。

コスプレ用の模造刀なども大人気だった=2023年7月29日、台北市(広橋賢蔵撮影)

観賞用も含め、グッズ・小物がお祭りの屋台のようなブースで紹介される様子は壮大な玩具即売会。さながら巨大なオモチャ箱の中に迷い込んでしまったような錯覚を覚えた。

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