注目ポイント
「私たちはこの島で、ずっとこれらの古く美しい大樹と暮らしてきたのです」と語るのは、「找樹的人――巨木地図プロジェクト」を主宰する徐嘉君だ。
20年余り前から神木の調査を開始した彼は、休日は常に山で過ごしている。本職は「自由時報」紙の記者で、彼が担当しているエリアは賀威神木群がある三峡エリアだ。ここには林務局が公表する神木園区の他に多くの隠れた神木があることを彼は発見し、それ以来、神木愛好家となったのである。彼は樹木の幹囲によって、6~9メートルを巨木、10~12メートルを神木、12メートル以上を超級神木に分類している。
タイワンベニヒノキやヒノキはいずれも雲霧林を好み、台湾の拉拉山や棲蘭山、阿里山神木園区などはいずれも標高の高い雲霧帯にある。一年を通して湿度が高くて陽光も十分に注ぐ。晴れの日でも午後になると雲霧に覆われ、あるいは霧雨が降る。夜になると雲霧は晴れ、星空が見え、まさに仙境、巨木の生長にふさわしい。
黄昭国にとって最も美しいのは司馬庫斯の神木で、神木群の中の「親分」と形容する。標高1650メートルの雲霧林にあり、巨大な神木の周囲には大小さまざまなベニヒノキが生息し、巨木はまるで号令を発する王者のように見える。
「一人の人間に何かできるのは長くても百年ですが、神木はいくつもの天災を乗り越えて生きてきました」黄昭国は、これらの神木には頭を下げたくなると言う。拉拉山にある幹囲最大の18メートルの巨木は、4本のベニヒノキと合体した木で、一部の枝は枯れて白くなっているが、緑の葉を延ばしている幹もあり、生老病死と懸命に闘う姿に頭が下がるのだという。

神木に親しむ
行政院の山林開放政策により、山林に親しみ、また神木群を訪ね歩く人が増えている。
黄昭国は神木への到達の難易度によって、普通レベル、制限レベル、挑戦レベルに分けており、それぞれの能力や体力によって行ってほしいと考えている。
例えば普通レベルの拉拉山、大雪山、阿里山、棲蘭山、向陽神木園区、司馬庫斯、鎮西堡、赫威神木園区などは、1~2日で往復でき、宿泊設備もあるので、一般の人でも到達できる。
制限レベルの神木に近づくには3日かかり、専門的なガイドの同行が必要となる。例えば司馬庫斯上方の白雪山神木群、観霧の尤命神木群などだ。また、花蓮南二子山や新竹の唐穂山神木群などの挑戦レベルの場合、いずれも急流の危険なエリアを通るため雨季には通行できず、冬か乾季を待たなければ行けない。
台湾で3番目に高い桃山神木には徐嘉君も当初4回挑戦したという。経緯度しかわからない中、森や渓流、断崖などを通り、高さ2~3メートルのヤダケの中を通り抜け、ようやく霧の中に見つけたのである。