注目ポイント
中国とロシアは、北朝鮮の「祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利70周年」(7月27日)を祝うイベントに代表団を送り込み、日米韓3カ国の結束に対抗するかのように中露朝の友好関係を誇示した。ただ、軍事パレードなどの一連の祝賀行事をつぶさに分析すると、中露朝は、米国を脅威とみなす点で共通するものの、対決姿勢を鮮明にする露朝に対し、関係改善を試みる中国が微妙に距離を置くという構図が浮き彫りになっている。
こうした露朝両国と、中国は一定程度、距離を置かざるを得ない。ウクライナ侵攻を続けるロシアを、心情的には支持するものの、中国を取り巻く国際環境を踏まえれば、正面からの支援には躊躇せざるを得ない。
ロシアと北朝鮮。ともに国連に背を向け、西側諸国の制裁を受けてどん底に落ち、そして互いに支え合っている。そんな二つの体制が協力を強化して、日米韓を揺さぶり、核の脅威を振りかざして現状変更を企てている。
一方で、この両国に対する日米韓の影響力は次第に低下しているようにみえる。意思疎通のテーブルに引っ張り出すためのテコも徐々に失われつつある。この点が気がかりだ。
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