注目ポイント
米国で実施されたアジア系アメリカ人を対象にした意識調査で、中国の不人気ぶりが浮き彫りになった。アジア系アメリカ人はルーツである祖先の国について、おおむね好意的だが、中国に対して好意的と答えた中国系は約4割に留まった。また、非中国系のアジア系アメリカ人の中で、中国に対して好意的な印象を持っている人はわずか14%だった。
ただ、中国移民の成人(45%)は、米国生まれの成人(25%)よりも中国を肯定的に見る傾向が強かった。米カリフォルニア大学リバーサイド校のラマクリシュナン氏はこの結果について、海外で高等教育を受けた若い学者たちに本土に戻るよう働きかける中国政府の「中国青年千人計画」の取り組みが、いかに困難であるかを示していると述べた。
また、全てのアジア系アメリカ人の中で、中国を肯定的か否定的にとらえるかは支持政党によってもほとんど変わらなかった。共和党員と共和党寄り支持者の約83%は中国に対して否定的な見方をし、民主党員とその支持者の68%もまた否定的な見方を示した。
台湾(95%)、日本(92%)、韓国(86%)にルーツを持つ人の大多数は、それぞれの国・地域に対して好意的な見方をしていると答えたが、それ以外のアジア系の大多数も、それぞれ日本(67%)、韓国(60%)、台湾(56%)を肯定的にとらえていると答えた。
米サンフランシスコ州立大学のラッセル・ジョン教授は、調査結果から得た一つは、アジアの先進国が途上国よりも好意的に見られていると指摘。「アジア系アメリカ人は、安全で健康的で効率的に運営されている国を高く評価している」と付け加えた。
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