2023-08-04 経済

台湾・鴻海とサウジアラビア、AIを駆使した電気自動車を2025年に発売を目指す

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注目ポイント

最近、人工知能(AI)産業が市場の注目の的となっているが、サウジアラビア王国が近年、政府主導でAI産業の発展に成功し、その最大のパートナーのひとつが台湾の鴻海であることを知らない人も多い。

最近では、生成AIがブームとなり、AI関連企業の人気も上昇している。 近年、サウジアラビアは積極的にAI産業の成長を後押ししており、鴻海は同国との電気自動車(EV)での協力関係を活かし、AIサーバーのOEM受注を更に確保することが期待されている。

 

サウジアラビア、AI指数「政府戦略」部門で世界1位に

主要な産油国であるサウジアラビアは、2020年7月17日にサウジ・データ・AI庁(SDAIA)の設立を発表。 同国のデータ・AI産業は国家レベルの政策となっており、世界のAIセンターになることが期待されている。

実際、サウジアラビアは近年、AIの開発に積極的に取り組んでおり、すでに相当の成果を上げている。 サウジ通信社(SPA)が報じたところによると、英ニュースメディアTortoise mediaが発表した「グローバルA Iインデックス」の政府戦略分野においてサウジアラビアが世界1位となり、ドイツが2位、中国が3位となった。

このAI指数は、政府戦略、資源、開発、人材、インフラ、運営環境、ビジネスの7つのランキングに分かれている。

Googleのグローバル広報・公共政策担当バイスプレジデントであるカラン・バティア氏は、サウジアラビア政府は近年、適切な政策を用い、国内企業がAIを開発するのに適した環境を提供することで、国内のAI産業の潜在的能力が発揮されるよう最善を尽くしていると強調した。

別の統計では、サウジアラビアは2030年にはAI産業から2,000億米ドルの収入を得るという。 バティア氏は、サウジアラビアでは観光業や航空業など多くの産業がAIを取り入れており、コスト削減やサービス向上だけでなく、AIをどのように取り入れて利益を得るかを模索していると指摘した。

Googleは、サウジアラビアがAI産業を構築するのを積極的に支援しており、サウジポスト(Saudi Post)と提携したほか、Googleショッピング、Grow my Store(訳注:ECサイト分析ツール)、Googleクラウドやサウジ国内の多くの電子商取引事業者もこのプロジェクトに関係している。

 

鴻海とサウジアラビアが電気自動車を開発、AI産業のシェア拡大へ

AIサーバ・ハードウェア構築のビジネスチャンスに関しては、鴻海に注目が集まっている。なぜなら、鴻海はすでにサウジアラビアと関連産業の連携を確立しているからである。一例として2022年11月、サウジアラビア公共投資基金(PIF)と鴻海がEVの合弁企業Ceerを設立している。

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