2023-08-03 経済

シェアを伸ばすAMDのリサ・スーCEOが台湾訪問。AI関連銘柄と電機トップ5株価が急騰

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注目ポイント

NVIDIAのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)に続き、同社の強力なライバルであるAMDのリサ・スーCEOが台湾を訪問したことで、台湾で人工知能(AI)がトレンドになると予想されている。AI関連銘柄は投資家に好感され、台湾の電機トップ5社の株価は相次いで上昇、関連部品やブランド企業にも資金が波及し、株価が上昇している。

SAPがBusiness SuiteのホストにAMD EPYCプロセッサを採用するに至ったことを強調し、顧客のデータセンターの近代化とIT支出の合理化のニーズに応え、企業価値の実現を加速させると述べた。

  

リサ・スーCEO、AIコンセプト関連銘柄を後押し

リサ・スーCEOの台湾訪問をきっかけに、台湾の半導体メーカー主要5社であるクアンタ、コンパル、ウィストロン、インベンテック、ペガトロンの株式が上昇し続けている。とりわけウィストロンの株価は4倍になり、時価総額は2000億台湾ドルに満たなかったのが4000億台湾ドルの大台を超えるまで上昇した。

また、関連部品や半導体材料の関連銘柄も上昇しており、例えば世界的なシリコンウエハー大手のシノ・アメリカン・シリコン(SAS)やパソコン・周辺機器メーカーであるギガバイト、クラウドサービス・クラウドコンピューティングのマイタックなどが好感されている。

 大手メーカーのAcerは、このほどAMDと組み、AMD RDNA3を採用、コンピューティング効率を向上させた統合型AI機能をもった新製品ゲーミング・グラフィックスカード「Predator BiFrost Radeon RX7600 8G」「RX7600 8G OC」をリリースすると発表し、18日の株価は11年ぶりの高値を更新した。

しかし、マーケットが加熱する一方で、生成AIのスタートアップ企業Stability AIの創業者で最高経営責任者(CEO)であるEmad Mostaque氏は「AIには1兆ドルの投資機会があるが、史上最大のバブルになる可能性もある」と警告している。

同氏は、例えば米GoogleのAIチャットボット「Bard」が発売時に誤った情報を回答したため、Googleの市場価値がたった1日で1000億米ドル近く下落したことを例に挙げ、AI企業がAIを不適切に使用すれば、市場からペナルティを受けるだろうと強調した。投資家は、多額の資金を投資することを選択する際に、そのリスクを慎重に見極める必要がある。

 


 

 

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