2023-08-01 ライフ

これから台湾に移住しようとしているあなたへ―大家さんと仲よくしよう―

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注目ポイント

留学、国際結婚、転職、老後の新天地、起業など台湾に移住しようとしている人が、良好な日台関係の追い風も受けて増えています。駐在派遣の人は会社が手伝ってくれるからあまり問題はありませんが、そうじゃない人はまず部屋探しから始めなければなりません。ネットで探せば以前よりは比較的楽に見つかりますが、それでも慣習、制度、文化、法律が何かと違う外国で戸惑うことも多々あると思います。今回は少しでもそんな方のご参考に、賃貸の慣習や大家さんのことについてご紹介しましょう。

部屋の探し方

台湾で部屋を探す方法はいろいろあります。日本と同じように、不動産屋さんのサイトで探す、或いは直接行くなど従来の伝統的な方法のほかに、台湾独特のアナログ的手段として、街角の掲示板(公設と私設があります)で店子募集の赤紙を探す、或いは不動産屋か家主が賃貸アパートの窓や賃貸店舗のシャッターに貼った「租(賃貸の意)」と書かれた大きなポスターを探す方法もあります。

最近最もよく利用されているのは、物件探しの専門サイト「591房屋交易」で、建て売り、新築、賃貸マンション・アパート、店舗、オフィス、工場など幅広く物件の紹介をしているサイトです。テクノロジーが進歩したおかげで、地区、部屋数、予算、家電・家具、駐車場、エレベーター、ペットなど必要な項目をクリックするだけで写真付きの物件候補が短時間で簡単に絞り込めるのが特長です。

「部屋貸します」の張り紙
公設掲示板の色々な張り紙
「ルームシェア限女性」の張り紙

 

「礼金」は日本だけ

部屋が見つかって契約する時、日本では家賃1か月分、敷金、礼金、仲介費を用意する必要があります。

敷金は、契約が切れて部屋を出るとき、部屋に瑕疵がなければ全額借り手に返ってくるもので、保証金と同じ意味です。保証金システムは台湾にもありますが、台湾ではほぼ全額借り手に返されるケースが多いです。筆者の東京での経験では、押しピンの痕とか、家具の痕がついた畳とかいろいろチェックされてかなりの額が引かれました。敷金が全額戻ってきたことはありません。

わたしたち日本人は礼金に何の疑問も持たずに慣習に従ってきましたが、外国人が増えるにつれてこの礼金が問題になりました。不動産屋さんも大家さんも外国人にうまく説明できなくなって、今では礼金を用意しなくてもよい契約も増えてきました。礼金の慣習は日本だけのようです。台湾にはありません。

 

大家≧借り手か、借り手≧大家か

日本には平成3年に公布され、平成4年8月より施行された「新借地借家法」があって、新たに契約をする場合は多少地主側に有利なりました、それでもほとんどの場合、貸したら返ってこないとまで言われるくらい借り手側が法律で守られています。

しかしここ台湾では、家賃の値上げをはじめ、契約期間中の打ち切りや更新するかしないかについても、大家さんに強い権限があります。筆者自身、及び筆者の日本人の知人が実際に遭遇したケースを紹介します。

・この区の他のアパートが値上がりしたから家賃をあげたい

・今までが安すぎたから家賃をあげたい

・インフレで物価が上がったから家賃をあげたい

・甥(姪、息子、娘、親戚)が来年アメリカから帰って来るのでここに住まわせたい

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