注目ポイント
電機大手シャープの経営が悪化し、日台の企業提携が試練を迎えている。台湾の親会社、鴻海精密工業はシャープに改善計画を要請し、成果が上がらなければ、経営陣の交代も求める構えだ。ただ、主因である業績不振の液晶パネル工場運営会社の完全子会社化について、日本の株主からは鴻海側の意向ではないかとの疑念の声も出ており、日台協力のシンボルともてはやされたシャープの経営の先行きは不透明感を増している。
日本企業の技術力やブランド力と台湾企業の生産力や資金力を組み合わせた鴻海によるシャープ買収は、日台企業連携のモデルケースとして、双方の経済界で話題を呼んだ。シャープは直面していた経営危機から抜け出し、この買収が一定の実績を上げたことは否定できないところだが、さらなる高みに向かう前に失速しつつある現状は、日台協力の在り方を問い直す動きにもつながりかねない。
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