2023-07-28 経済

米政府がOpenAIに対し、ChatGPTによる偽造、捏造への修正を要求。一方、中国政府の対応は?

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注目ポイント

生成AIの発展スピードには驚かされるが、情報セキュリティ問題による国家安全保障上の危機を回避するため、米国と中国は期せずして同時にAI業界をさらに調査・規制するというメッセージを発信した。

米国と中国の2つの経済大国が、それぞれ人工知能(AI)の調査と規制を進めている。米国の規制当局は、AIチャットボットがもたらすリスクを初めて調査した。 調査の理由は、AIが虚偽の情報をもたらし、プライバシーや情報セキュリティなどを盗み、不公正な競争をしているのではないかというものだ。一方、中国は今年(2023年)8月15日から生成AIを法律に基づいて規制することにしている。


米国の規制当局がOpenAIを調査

今年に入り、生成AI業界が爆発的に成長しているが、マイクロソフトが出資するOpenAIが開発したChatGPTによるところが大きい。 アプリが増えるにつれ、AIに派生するリスクも増加している。 米連邦取引委員会(FTC)は、このほどマイクロソフトに書簡を送り、AIのせいで国民の権利が侵害されていないかどうか説明を求めた。

OpenAIがリリースされてから2ヶ月後、月間アクティブユーザーが1億人を超えた。マイクロソフトの新しい検索エンジンBingもOpenAI技術を使用しており、今年1月のリリース後2週間で、169カ国、100万人以上のユーザーがすでに利用している。

FTCは、OpenAIが人々のプライバシーやデータを不当に、または詐欺的な行為に利用していないかどうかを調査する必要があると指摘した。 多くの人工知能専門家によると、AI技術は大量の個人データを利用するため、誤った情報に加えて性差別や人種差別などの問題も加わり、国家安全保障上の危機を引き起こす可能性があり、生成AIは世界中の規制当局の注目を集めている。

英紙フィナンシャルタイムズの報道によると、FTCはOpenAIに対して内部情報の共有を求めており、これには同社がユーザーデータをどのように保持・使用しているかということから「虚偽で誤解を招く情報」を生み出すリスクにどのように対処するかということに至るまで、FTCに詳細に報告することが含まれるという。

FTCは、書簡についてコメントを控えている。このことについて、OpenAIの最高経営責任者(CEO)サム・アルトマン氏は7月13日深夜、「FTCが漏洩した書簡の内容を見て非常に失望している。双方の信頼構築の役には立たない」とTwitterに投稿した。

同氏はまた「我々としては、自社の情報セキュリティ技術に自信を持っており、それが消費者に利益をもたらすと信じている。同時に法律を遵守し、FTCに協力する」とも書き込んでいる。

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