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柯文哲候補は7月12日、頼副総統が最近、「台湾の総統がホワイトハウスに入ることができれば、追求された政治的目標は達成されたことになる」と述べたとツイートしたが、柯文哲候補は「それだけでは十分ではない」と考えており、最終的な目標は「台湾が一国だけでなく、全世界から認められること」であるべきだとも述べた。
台湾総統選の候補者である民衆党の柯文哲(か・ぶんてつ)主席は、7月12日、自身のTwitterで「台湾は一国からだけでなく全世界から承認されなければならない」と発言した。
これは民進党の総統選候補者頼清徳(らい・せいとく)副主席の「自分が総統になればホワイトハウスに足を踏み入れることができる」という発言に対抗したものと見られる。
Twitterでは、柯氏が世論を鑑み、台湾独立問題について親米か親中かという選択を超越した立場を主張するものだと話題になっている。
頼清徳副主席は7月10日、宜蘭県の後援会が開いた座談会の席で「蔡総統の指導の下、台湾とホワイトハウスの関係は接近し続けてきた。自分が新たな指導者となってもこの方向に向かって進む。これは台湾社会に対して悔いのない約束である」と親米路線を明らかにした。
「台湾の総統がホワイトハウスに足を踏み入れることができれば、我々が追求してきた政治的目標が達成されたことになる」「今年1月には日本の岸田文雄首相が、4月には韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が訪米し、ホワイトハウスでバイデン大統領と対談している。韓国は米国と共同で『ワシントン宣言』を発表し、米国議会で演説を行った。台湾はここまで差があっていいはずはない」と抱負を語った。

© 中央通信社
しかし、頼氏のこの発言に柯氏が反論した。
柯氏は7月12日、自身のTwitterで「彼は、台湾総統がホワイトハウスに足を踏み入れることができれば、追求してきた政治的目標が達成されたことになるというが、それでは十分ではない」と批判し「最終的な目標は、台湾を一国からだけでなく全世界に認めさせること」だと述べた。
柯氏は7月12日にメディアの共同取材を受けた際にも「台湾総統は台湾を世界に導くべきであり、米国は重要な同盟国だが、台湾が国家の尊厳を失ったようなふるまいをするべきではない」と語った。
柯氏の発言は国内外で多くの議論を引き起こしているが、柯氏自身も今年の4月に訪米し、AIT(米国在台湾協会)のワシントン本部で、AITのローラ・ローゼンバーガー理事長と対談した。
いわば米政権からの「面接」を受けに行ったと見られている。ただしローゼンバーガー理事長は、今年6月に台湾を訪問した際、3人の大統領候補全員と面会したと述べ、「米国は来年の台湾総統選でどの候補の側にもつかない、台湾の人々が誰を指導者として選んだとしても米国は協力を続ける」と明言している。

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