2021-12-06 政治・国際

ウイグル人虐待を否定する中国政府の “恥ずかしすぎる” プロパガンダとは

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注目ポイント

新疆ウイグル自治区に人権問題は存在しないとする中国の政府系ユーザーアカウントをツイッター社が、閉鎖したことが分かった。その数2000件以上にも上り、専門家はツイート内容について、「恥ずかしくなるほどお粗末なプロパガンダ工作だ」と表現している。

英紙「ガーディアン」によると、停止処分になったアカウントは、リモートサーバーからアクセスする「シェルアカウント」や、自動化されたアカウントで、実在しないウイグル人のプロフィルを捏(ねつ)造し、同自治区でいかに幸せに暮らしているかを写真やイラストを使ってアピール。大規模な強制収容や再教育プログラム、強制労働や強制不妊など、長年にわたり続けられてきたとされるウイグル人への虐待を否定している。

 

そもそもツイッターは中国国内では禁止されているが、政府関係者は国外からアカウントを使用しているという。

 

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のアナリストは、凍結されたアカウントのコンテンツは「恥ずかしいほどお粗末」としながらも、ウイグル人虐待については“もっともらしい否認”のレベルで、論点をはぐらかしていると分析した。

 

ASPIによると、全てのアカウントは2つのネットワークのいずれかにリンクされていた。一つは中国共産党の新疆ウイグル自治区に関する主張を喧伝するネットワークで、2048件のアカウントがリンクされていた。もう一つは112件にリンクされていた「張裕文化」という民間企業のサイトで、この会社は自治区当局の委託を受け、ウイグル人が中国政府を支持する様子を撮った映像を製作していた。

 

また、ASPIはそれぞれのネットワークから、3万件以上のツイートが発信されていたことを確認。中国政府によるウイグル人虐待を非難するツイートに対しては、ハッシュタグ「#ウイグルの噂を止めろ」を付けたウイグル人成りすましユーザーが虐待は「ウソだ」と返信。また、新疆ウイグル自治区の“真実”とするビデオを投稿したり、外国の政治家を攻撃するツイートも拡散していたとしている。

 

データを解析する中で、ASPIは閉鎖されたアカウントの多くがポルノサイトや韓国ドラマのファンサイト、スパムサイトなどへのリンクが張られていたことを確認。「アカウントの多くは既存のものを乗っ取り、再利用したもの。しかし、その出来はひどい」とASPI上級アナリスト、ファーガス・ライアン氏は指摘。

 

また、ツイートに張られたマイク・ポンペオ米元国務長官のタグを繰り返し間違い、リンクされた張裕文化のユーチューブチャンネルはすでに消されていたという。

 

ASPIの分析によると、97%のアカウントのフォロワーは5人以下で、73%にフォロワーはいなかった。また、98%のツイートに「いいね」やリツイートは無かった。