注目ポイント
中国の経済成長が鈍化する中、共産党と政府は民間企業のビジネス環境を改善するなど活性化策を打ち出しているものの、専門家はその効果に懐疑的だ。また、外資の参入を渇望する各都市は、西側企業から投資を引き出すのに躍起となる一方、習近平政権の安全保障政策が外資の対中投資を妨げるという矛盾を引き起こしている。
中国でも事業リスクが大幅に高まったとの認識から、西側企業からの資本流入に急ブレーキがかかっていることは数字を見ても明らかだ。
調査会社ロジウム・グループのアナリスト、マーク・ウィツキ氏による政府統計の分析によると、今年1~3月期の中国の対内直接投資は200億ドル(約2兆7700億円)と、前年同期の1000億ドルから急減。ゴールドマン・サックスのエコノミストの予想では、今年の中国からの資本流出額は対内投資額を帳消しにする見通しだという。これは流入超が40年間続いた中国にとって衝撃的な変化だ。
さらに中国の経済悪化を示すのが若者の失業率の深刻さだ。
ロイター通信は20日、中国で若者の失業率が3月に50%近くに達した可能性が研究者によって指摘され、公式統計をめぐる議論が再燃し、労働市場の低迷が改めて注目されていると報じた。
国家統計局は3月の16~24歳の失業率は19.7%と発表した。これに対し北京大学の張丹丹副教授は中国系メディア「財新」のオンライン記事で、「家で寝そべっていたり、親に頼る非学生の1600万人が統計に含まれていたら、失業率は46.5%に達した可能性がある」と指摘した。記事は17日に掲載されたが、その後削除された。
6月の公式統計では若者の失業率は過去最高の21.3%となっている。これは就職活動を行っている人を対象としている。
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