2023-07-20 政治・国際

日本で有事想定の机上演習 台湾識者「台米日間の安保対話枠組みを」

注目ポイント

(東京中央社)民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」は15日と16日、東京都内で台湾有事を想定した机上演習を実施し、日本の国会議員らに加え、米国や台湾から専門家が出席した。「台湾の総統」役を務めたシンクタンク、遠景基金会の頼怡忠執行長は演習終了後、台米日間に安全保障対話の枠組みがないことは重大な問題だとの見解を示した。

(東京中央社)民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」は15日と16日、東京都内で台湾有事を想定した机上演習を実施し、日本の国会議員らに加え、米国や台湾から専門家が出席した。「台湾の総統」役を務めたシンクタンク、遠景基金会の頼怡忠執行長は演習終了後、台米日間に安全保障対話の枠組みがないことは重大な問題だとの見解を示した。

机上演習は2021年8月に初開催され、今回で3回目。台湾から参加者が加わったのは初めて。日本政府が昨年12月、国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定したことを受け、日本が「反撃能力」を保有している設定で行われ、事態認定の手続きなどで課題が浮き彫りとなった。

机上演習を終えた頼氏は、日本政府にとって考慮が必要な法律上の事項について台湾の政府内で知らない人は多いと指摘。米国の決定に日本が追随すると考えている高官もいるかもしれないとし、今回の机上演習で日本が決定を下す際に受ける制限を実感したと語った。

また台日間に安保対話の枠組みがないことで、住民の退避などに関する意思疎通に多くの問題点や難しさも見つかったと振り返り、安保対話の枠組みの早期実現に期待を寄せた。

防衛相役で参加した木原稔衆院議員は台米日間の安保対話の枠組み構築について、日米は同盟関係にあることに触れた上で、最大の問題は外交関係がない日台間だと言及。日米台間で枠組みを作ることは非常に重要だとの認識を示し、構築に向けて適切なタイミングを探る必要があるとの姿勢を見せた。

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