注目ポイント
料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾の歴史ある市場の楽しみ方を紹介する月イチ連載も今回がひと区切り。今回は台北から離れ、食の都で知られる台湾の古都・台南の「水仙宮市場」を取り上げます。台南でもっとも有名な伝統市場のひとつで、観光スポットからも近く、異なる市場と隣接しているので見どころはたくさん。新鮮な食材を使った台南グルメの食べ歩きにもぴったりです。
迷いながらの散策も楽しいローカルスポット
美食の街・台南の中心部にある水仙宮市場は、古い歴史を持つ伝統的な市場のひとつ。水と海の神さまとして知られる水仙尊王を祀る廟が場内にあることが、その名前の由来となっています。赤崁楼や神農街など観光スポットからも近いので、台南旅行で訪れた方もいらっしゃるかもしれませんね。

先月、夫とふたりで台南に引っ越してきた私。いつも旅先で散策を楽しむだけだった水仙宮市場に、買い出しに来れるようになりました! 先日訪れたのは、ある平日の朝。迷路のように入り組んだ市場をのんびりと歩きながら、おいしそうな食べものを探してみることにしたのでした。
レトロな雰囲気の場内には新鮮な食材がずらり
活気あふれる市場を歩いていると、まず目にとびこんでくるのがおいしそうな野菜とフルーツ。新鮮そうな白ゴーヤ、細長い形をしたなす、ジャンボサイズのヘチマ…。夏が来たなあと実感するラインナップに心がおどります。店主さんにおすすめの食べ方を聞いたりしながら、いくつかのお店で野菜を購入。

たくさんの種類が並ぶマンゴーや甘い香りのライチ、店頭にどっさりと積まれたパイナップルなどを横目に移動して、鮮魚店ではフレッシュな海老、精肉店では豚のひき肉などを買ってみました。

また、あるお店ではこの時期に多く出まわるたけのこ「緑竹筍」を発見! クセがなく、甘くてみずみずしくて大好きな夏の食材のひとつです。茹でたものも販売されており、カットしてもらって持ち帰ることも可能でした。
その場で味わえる台南グルメも要チェック
台南で必ず食べたい名物グルメといえば「虱目魚(サバヒー)」! 英語ではミルクフィッシュとも呼ばれる魚で、いくつかの鮮魚店では、店員さんが手際よく身をおろしていく様子を見ることができます。お粥にスープ、焼きものなど、調理されたものをその場で味わえるお店もあり、新鮮なサバヒーを求めてやってくるお客さんで賑わっています。

場内にはほかにも海鮮麺、てづくりの魚つみれ、滷味(ルーウェイ/さまざまな食材のスパイス煮込み)などおいしいものがいっぱい。隣接する永楽市場のグルメストリート・國華街とあわせて、朝早くから食べ歩きを楽しむのもおすすめです。
10回にわたって台湾の市場をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 来月からは少しテーマを変えて、台南在住の日本人夫婦が生活するなかでみつけたさまざまなおいしいものをレポートしていきたいと思います。
おすすめ記事:
・月イチ連載「季節の『おいしい』を探す台湾市場めぐり」第九回:伝統的な台湾グルメ&旬の食材が充実! 台北・松江市場を散策
・月イチ連載「季節の『おいしい』を探す台湾市場めぐり」第八回:台北で週末開催のファーマーズマーケット、花博農民市集へ