2023-07-18 政治・国際

鴻海・郭氏「一つの中国」で直接交渉を 首相「受け入れられない」/台湾

注目ポイント

鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が17日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、「一つの中国」の枠組みの下、中国と直接の交渉をすべきだと訴えた

陳建仁行政院長

(台北中央社)鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が17日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、「一つの中国」の枠組みの下、中国と直接の交渉をすべきだと訴えた。陳建仁(ちんけんじん)行政院長(首相)は18日、台湾の人々は受け入れることはできないとの立場を示した。

1992年に両岸(台湾と中国)間で合意したとされる「92年コンセンサス」では、中国は「一つの中国を確認した」とする一方、当時与党だった国民党は「一つの中国について中国と台湾のそれぞれが主張する」と解釈。蔡政権はこれを受け入れていない。

郭氏は寄稿で、台湾と中国は「一つの中国」に対し異なる解釈を持ちながらも、この枠組みの下でさまざまな分野において効果的な交流を重ねてきたと主張した。

2016年に蔡英文(さいえいぶん)総統が就任してから、民進党政権は中国との共通認識を破壊したと指摘。両岸間の対話は中止され未だに再開に至っていないと批判し、中国と直接の協議を通じてこそ、真の緊張緩和を達成できるとの考えを示した。

陳氏はこの日、立法院院会(国会本会議)前に報道陣の取材に応じた。郭氏の寄稿に対し、両岸間の交流は平和で対等に、民主主義的な対話の手法によって行われる必要があるとし、台湾の人々は中国が主張する「92年コンセンサス」や「一つの中国」を受け入れられないと述べた。

 

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