2023-07-17 政治・国際

総統府前でデモ、国内問題で現政権に不満 柯氏ら総統選の野党候補も/台湾

総統府前でデモ、国内問題で現政権に不満 柯氏ら総統選の野党候補も/台湾

(台北中央社)台北市内にある総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道で16日、住宅問題の解決や司法改革を民進党政権に訴えるデモ活動が行われ、来年1月に実施される総統選に野党第2党・民衆党から出馬する柯文哲(かぶんてつ)前台北市長らがステージに登壇した。

デモ活動に出席する民衆党の柯文哲主席(手前右)

柯氏は、政権交代が過去に3回起きたことに触れた上で「われわれの生活は本当に良くなっただろうか」と問いかけ、「不動産価格は高騰し、詐欺は増え司法は信頼を失っている」と指摘。現政権の住宅政策や司法に関する問題を批判し、蔡英文(さいえいぶん)総統に「(総統選に初めて当選した)7年前、台湾の人々に何を誓ったか」と呼びかけた。

デモ活動は2014年の学生運動から派生した小政党、時代力量の黄国昌氏や実業家でユーチューバーの陳之漢氏が発起人となった。

あいさつを終え、会場を離れる国民党の総統候補、侯友宜氏(右)

最大野党・国民党の総統選候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長も演説したが、参加者からはブーイングが起きた。

会場には若者を中心に多くの人が集まり、凱達格蘭大道を埋め尽くした。陳氏のユーチューブチャンネルのライブ配信中、視聴者数は約4万人を維持した。

デモ活動の会場の様子

頼副総統「声に耳傾けなければ」

民進党はこの日、台北市内のホテルで決起集会を開いた。同党の総統選の候補、頼清徳(らいせいとく)副総統はデモ活動について、民主主義国家における正常な状態だとした上で、参加者の声に耳を傾けなければならないと語った。

蔡総統は、住宅問題に多くの人が関心を寄せていることは知っているとし、政府はこれまで改善に努めてきたと説明。頼副総統が政策を引き継げるよう党として力を尽くしていく姿勢を示した。

(王承中、王揚宇、葉素萍/編集:楊千慧)

 

 

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