2023-07-16 政治・国際

国の重要かつ強固な同盟国であると明言している パラオのスランゲル・ウィップス大統領:中国による台湾承認放棄の圧力を認める

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台湾の友好国パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領は、インドのメディアのインタビューに応じ、中国がパラオに台湾を放棄し、代わりに中国を承認するよう要求し、チャーター便や不動産などの優遇措置を提供すると提案していることを明かした。 ウィップス大統領は、パラオはコロナウイルス終息後、外国からの投資を緊急に必要としているが「日本も韓国も台湾も対応が遅い」状況では、中国にノーと言うのは難しいと率直に語った。

インド『サンデー・ガーディアン』紙は25日付で、アメリカは5月にパラオ、マーシャル諸島、ミクロネシアの太平洋島嶼国3カ国との自由連合盟約(COFA)を更新し、防衛支援のために米軍を派遣し、軍事基地用の土地を接収することに合意したと報じた。また同紙は、外交的に台湾を承認し、領土内に中国大使館が存在しないパラオとマーシャル諸島が中国の最大の標的となっており、中国側が台湾を承認している2カ国の姿勢を変えさせ、COFA3カ国のアメリカへの支持を弱めようと様々な手段を駆使していると指摘した。

報道によると、中国はパラオに台湾承認を放棄させるため、まず中国の観光業界への依存度を高めようとしている。2008年、パラオを訪れる観光客のうち中国人観光客は全体の1%にも満たなかったが、2015年には中国人観光客が全体の54%を占めるようになった。 2017年、中国政府はパラオへの大量の観光客の渡航計画を打ち切り、パラオが台湾との国交を断絶して中国に鞍替えしない限り、中国人観光客は戻ってこないと発言した。これでパラオの経済はほぼ壊滅状態に陥り、中国が投資した不動産や開発プロジェクトは宙に浮いたままとなっている。

パラオのウィップス大統領は『サンデー・ガーディアン』のインタビューで、中国は依然としてパラオ最大の投資国であり、日本、韓国、アメリカ、台湾といった国々からパラオへの直接投資を呼び込もうと努力していると述べたが「日本も、韓国も、台湾も対応が遅い。一方、中国側から飛行機の便数をもっと増やすと言われれば、我々がノーと言うのは難しい。ホテルも船も空っぽなのだから」と率直に語った。更に、パラオの経済はコロナ禍で壊滅的な打撃を受け、観光業もまだ回復していない。台湾はパラオに週2便のフライトを運航しているが、現時点で便数を増やすことは不可能のようだとも付け加えた。

 

 ウィップス大統領が中国の警告を公にするのは今回が初めてのことではなく、大統領が6月に訪日した際にも、パラオが台湾との国交を維持することで中国からペナルティを受けていることや、2010年代後半にはパラオの観光客の約3分の2を占めていた中国人観光客がゼロに近い水準まで激減していることに言及している。しかしウィップス大統領は「私が大統領である限り、(現状を)変えるつもりはない」と発言し、パラオは今後も台湾の強力な同盟国であり続けると強調した。

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