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台湾初の国産気象衛星「トリトン」(猟風者)が9月に打ち上げられることになり、北部・新竹市の国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)で14日、出発式が行われた。

(新竹中央社)台湾初の国産気象衛星「トリトン」(猟風者)が9月に打ち上げられることになり、北部・新竹市の国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)で14日、出発式が行われた。蔡英文(さいえいぶん)総統はあいさつで、8割以上の重要なパーツは台湾で研究開発・製造されたと強調。台湾半導体製造の強さと世界の航空宇宙産業に進出する力があることを証明すると語った。
蔡氏は、多くの人が10年近く心血を注いで何度も試験を繰り返し、やっと打ち上げ準備に向けた鍵となる段階に進んだとし、台湾の航空宇宙産業の発展史上、重要なマイルストーンだと語った。
またトリトンはフランス領ギアナのギアナ宇宙センターで打ち上げられた後、海上の風速観測任務に当たると説明。中低緯度の風速データ収集により、海面上で発生する極端な気象の初期のデータを正確に把握することができ、気象観測と予報の面で大きく飛躍し、全世界に貢献すると述べた。
トリトンは桃園国際空港を経由して17日にギアナに運ばれた後、宇宙センターで整備を行い、9月にもベガロケットに搭載して打ち上げられ、高度550~650キロの低軌道に投入される予定。地球表面で反射した測位衛星の電波を受信し、解析することで地球表面の状態を観測するGNSS-Rも搭載される。
(張璦/編集:齊藤啓介)